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特定非営利活動法人 国際協力NGOセンター(JANIC) ~NGOをサポートするNGO。国際協力NGOがより活動しやすい社会をつくるために~

広報室長/マネジメント・チームの井出留美さん。浅草橋のセカンドハーベスト・ジャパンの事務所にて。

広報・渉外グループの渡辺李依さん。
新宿区西早稲田の事務所にて。

11月のクローズアップは、特定非営利活動法人 国際協力NGOセンター(JANIC:ジャニック)です。日本の国際協力NGO約100団体が正会員として加入するJANICは、日本有数のネットワーク型NGO。国際協力NGOの活動を支え、NGOとNGOはもちろん、NGOと企業、市民、政府・自治体をつなぐ(=ネットワークする)ことで、個々のNGOがより力を発揮しやすい社会をつくろうとしています。“NGOを支援するNGO”であるJANICが行っているさまざまな取組について、広報・渉外グループの渡辺李依さんにお話を伺ってきました。

Q.JANICの概要を教えてください。

A. JANICは、1987年に日本の国際協力NGOのリーダーたちによって設立されました。世界各地の支援現場で個々にプロジェクトを行っているNGO同士が、それぞれの活動や抱えている課題など、情報を共有することが重要だという認識からつくられたのです。
JANICには、正会員と協力会員という2つの会員制度があり、一定の基準をクリアした国際協力NGOのみが入会できる正会員は、ネットワークの一員として一緒に活動してもらうプレーヤーと言った意味合いを強く持っています。一方、協力会員は、NGO、企業、自治体、個人を問わず、JANICの活動に賛同していただければ、どなたでも入会可能です。会員は、さまざまなNGOや国際協力の関連情報を入手できるほか、「総会」や「会員の集い」、各種研修や会議、イベントに参加して、ほかのNGOとの交流を深めることができます。JANICでは、こうしてNGOとNGOをネットワークするほか、NGOと他セクターとのネットワークも行っています。

「NGOサポート募金」のウェブサイト

関心のある分野で活動する複数のNGOにまとめて寄付できる
「NGOサポート募金」のウェブサイト。
JANIC正会員のNGOによって構成されています。
http://www.janic.org/bokin/
©JANIC

Q.他セクターとのネットワークとは、どのようなものなのでしょうか。

A. 企業との連携については「NGOと企業の連携推進ネットワーク」、労働組合との連携については「NGO-労働組合国際協働フォーラム」というネットワークがあり、さらに自治体と連携して地域の国際化をすすめていくために、「市民国際プラザ」という組織の運営を(一財)自治体国際化協会と共同で行っています。JANICの役割は出会いの場を提供することなので、NGOと企業、NGOと自治体とのマッチングをするというより、ネットワークをつくることで皆さんに集まってもらい、そこでのつながりや学んだことを、それぞれの活動に反映し、自分たちの連携事例に生かしてもらったり、イベントやキャンペーンなど共にプロジェクトを行っています。
また、政府機関とNGOの対話の場として、外務省、JICAとそれぞれ定期協議会を設けており、これもひとつのネットワークと言えるでしょう。

Q.NGOの活動をより多くの人に伝えることも、JANICの重要な役割のひとつですね。

A. 私が所属している広報・渉外グループは、一般の方たちにNGOや国際協力について広く知っていただくことを目的に活動しています。活動の柱は大きく分けて3つ。1つめはインターネットを通したNGO情報の発信で、ウェブサイトではJANIC自体の情報を発信するほか、300を超えるNGO団体のデータが検索できる『NGOダイレクトリー』、各団体がイベントや人材募集などの情報を掲載できる掲示板などを提供し、さらにフェイスブックの運営も行っています。2つめは、『シナジー』という国際協力情報誌の発行で、NGOの最新の動向や国際協力に関するさまざまなトピックスを取り上げています。そして、3つめがイベントの開催です。毎年秋に、日本最大級の国際協力イベント「グローバルフェスタ」を外務省とJICAとの共催で行うほか、国際協力NGOで働きたい人のための「NGO就職ガイダンス」なども開催しています。

JANICのウェブサイト。NGOの活動情報が満載です。©JANIC

JANICのウェブサイト。
NGOの活動情報が満載です。
©JANIC

年に3回発行している情報誌「シナジー」。JANICの会員に届けられる会報誌でもあります。©JANIC

年に3回発行している情報誌「シナジー」。
JANICの会員に届けられる会報誌でもあります。
©JANIC

Q.イベントについて、もう少し詳しく教えてください。

A. 「NGO就職ガイダンス」は、NGOを就職先、転職先として考えている方たちを対象としたイベントです。参加者は20代の女性が多く、学生と社会人の割合は半々くらい。NGOの仕事の実態や待遇、国内勤務と海外駐在の割合など、現実的な部分をお話しています。一方、グローバルフェスタは、NGOや国際協力について、一般の方たちに理解してもらうことを目的としたイベントです。国際協力に関わる250ほどの団体が出展し、展示、物販、世界の料理などを楽しむことができます。国際協力に関心を持つ幅広い世代の方が気軽に参加できるイベントとなっています。

NGO就職ガイダンス。経験やスキルを積んだ上で、将来NGOへの就職を目指すという参加者も多いそうです。©JANIC

NGO就職ガイダンス。経験やスキルを積んだ上で、
将来NGOへの就職を目指すという参加者も多いそうです。
©JANIC

誰でも気軽に参加できるグローバルフェスタ。今年は国際協力60周年を記念して盛り上がりました。©JANIC

誰でも気軽に参加できるグローバルフェスタ。
今年は国際協力60周年を記念して盛り上がりました。
©JANIC

Q.広報の担当者として、日本の国際協力NGOの状況は変わってきたと感じられますか。

A. NGOが抱えている課題は、昔も今もあまり変わらないと感じます。どうやって広報すればいいのか、どのように組織をつくり、資金を集めていったらいいのか、そういった悩みは、たぶんずっとあり続けるのではないでしょうか。
社会問題の解決を進めるためには多くの方たちの参加と協力を得る必要がありますが、そのためにはまず、世界が抱えている課題や、それに対してNGOがどういう取組をしているのかを知ってもらう必要があります。そこで今年の夏に、NGOの広報を向上させ、理解を広めていくことを目指す、JANIC会員の広報担当者によるワーキンググループを立ち上げました。約40団体が参加しています。

Q.広報ワーキンググループで、どのような取組を進めていくのか教えてください。

NGOの広報担当者が参加している「NGO広報ワーキングループ」の活動の様子。©JANIC

NGOの広報担当者が参加している
「NGO広報ワーキングループ」の活動の様子。
©JANIC

A. 「NGO認知度向上プロジェクト」を立ち上げ、今年度から本格的に活動を始めています。このプロジェクトでやろうとしていることは3つあり、まず1つめは、NGOのスタッフ一人ひとりの広報スキルを上げること。このプロジェクトには広告代理店の方にも入ってもらっており、広報戦略の立て方やプレスリリースの書き方といったセミナーを開催しています。そして2つめは、実態を調査してきちんと把握することです。これまでに、NGOの広報の実態についての調査と、日本社会の中でNGOと国際協力がどのように理解されているのかという社会調査を行いました。認知度を上げていく際に、きちんと数字を取り、根拠を得た上で、そこを出発点にしてやっていこうと考えています。最後の1つは、NGOと国際協力についてもっと知ってもらうために、新しい発信の場を開拓することです。このプロジェクトは、広報だけでなく、JANICとしても、今後、重点的に取り組んでいこうと考えているものです。

Q.国際協力やNGOに興味があるけれど、ハードルが高いと感じるという人たちにアドバイスをお願いします。

「一度飛び込んで誰かと知り合うと、それが次のチャンスにつながっていきますよ」と語る渡辺さん。

「一度飛び込んで誰かと知り合うと、
それが次のチャンスにつながっていきますよ」
と語る渡辺さん。

A. 一番簡単なのは、イベントに参加してみることだと思います。特にグローバルフェスタのようなイベントは、食べる国際協力も、買う国際協力も、知る国際協力もできるのでおすすめです。また、各国の食や文化などを紹介するフェスティバルにもNGOが出展しているので行ってみるといいと思いますし、気になるNGOがあれば、報告会やボランティア活動に参加してみるのもいいでしょう。国際協力で何かをやりたいと思っているなら、とにかく何でもいいから行動してみることが大事だと思います。ひとつやってみると、もっとこうしたいという自分のやりたいことが見え、次のステップへ進むための情報を見つけていくようになりますよ。私自身も、「国際協力をやりたい、NGOで働きたい」という思いはあったものの何がしたいのかはよくわからず、それを見つけることから始めてJANICにたどり着きました。あまり難しく考えずに、動いてみるといいと思います。


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