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特定非営利活動法人 国際文化青年交換連盟日本委員会 (ICYE JAPAN) 国際ボランティアであなたの人生を変える体験を!

事務局長の山田綾子さん。帰国生が作ったプレートを手に。右はICYE加盟国にシールが貼られている世界地図、左は国連総会で事務総長から授与された「ピース・メッセンジャー(平和の使者)」の賞状です。

事務局長の山田綾子さん。帰国生が作ったプレートを手に。右はICYE加盟国にシールが貼られている世界地図、左は国連総会で事務総長から授与された「ピース・メッセンジャー(平和の使者)」の賞状です。

12月のクローズアップは、特定非営利活動法人 国際文化青年交換連盟日本委員会(ICYE JAPAN)のご紹介です。ドイツのベルリンに国際本部を置くICYE連盟(国際文化青年交換連盟)は、60年以上にわたり民間国際交流に携わってきたNPO団体。ヨーロッパ、アメリカ大陸、アフリカ、アジア、オセアニアの40カ国にネットワークを有し、各国のICYE委員会の間で互いにボランティアの派遣と受入を行っています。日本のICYE委員会であるICYE JAPANの活動実績は、なんと50年を超えるとか。今回は、ご自身もドイツで1年間ICYEのプログラムに参加した経験を持ち、現在ICYE JAPANの事務局長を務められている山田綾子さんにお話を伺いました。

Q.ICYEが設立された背景を教えてください。

A.ICYEの活動は第二次世界大戦後、敵国だったアメリカとドイツの間で若者をボランティアとして交換したことをきっかけに始まりました。「戦争の悲劇は互いの国に対する理解不足から生まれた。だから草の根レベルでもっとお互いを知ろう」というところから出発したのです。初めは二国間のみの活動でしたが賛同する国が徐々に増え、今では世界40カ国にICYEネットワークが広がっています。

オフィス前のボード。ICYE JAPANのキャッチコピー「骨の髄まで現地人!」が目に止まります。   ICYE JAPANスタッフの皆さん。2012年は長期16人、短期81人の国際ボランティアを派遣しました。

オフィス前のボード。ICYE JAPANのキャッチコピー「骨の髄まで現地人!」が目に止まります。

 

ICYE JAPANスタッフの皆さん。2012年は長期16人、短期81人の国際ボランティアを派遣しました。

Q.ICYEのミッションとは何でしょうか。

ICYE JAPANの紹介パンフレット(左)とニュースレター(右)。年3回発行されるニュースレターには、派遣生からの生の声が盛りだくさんです。© ICYE JAPAN

ICYE JAPANの紹介パンフレット(左)とニュースレター(右)。年3回発行されるニュースレターには、派遣生からの生の声が盛りだくさんです。
© ICYE JAPAN

A.大げさな言葉かもしれませんが、"世界平和"が私たちの最終目標です。みんながもっとお互いのことを知っていたら、世界から争い事はなくなるのではないかな、と。たとえば、もしエクアドルという国に行ったことがあれば、そこで何か事件が起こったときに「あの子は大丈夫かな?」と知り合いのことが心配になりますよね。各国に友達やホストファミリーなど草の根レベルの知り合いを増やし、その人たちとお互いを思い合える関係を築くことから世界平和を目指していきたいと思っています。

Q.ICYEの国際ボランティアプログラムについてお聞かせください。

A.半年~1年間の長期プログラムと、2週間~4カ月の短期プログラムがあります。長期プログラムでは、1つの国に派遣される日本人ボランティアは基本的に1人だけ。周りはすべて外国人という環境の中で現地の生活に浸ることになります。また、現地の人たちだけでなく、他のICYE加盟国から集まってきた派遣生と友達になれるというのも大きなポイントですね。私もドイツでの長期プログラムに参加しましたが、モルドバ人、インドネシア人などの友達ができました。ボランティア先は小学校や孤児院、障害者施設、薬物中毒の人たちの社会復帰施設など様々ですが、子どもや福祉に関わるものが多いです。
短期プログラムでは長期のような国ごとの定員はありませんが、現地密着型のプログラムという点は変わりません。期間が比較的短いため、気軽に参加できるのが特長です。

ドイツの小学校でティーチング・アシスタントのボランティアをしていた山田さん(写真中央)。週末や長期休暇は、障害者とのバケーションキャンプを運営していました。© ICYE JAPAN

ドイツの小学校でティーチング・アシスタントのボランティアをしていた山田さん(写真中央)。週末や長期休暇は、障害者とのバケーションキャンプを運営していました。
© ICYE JAPAN

Q.プログラムにはどのような方が参加されるのですか。

A.長期プログラムの場合、参加者の半数ちょっとが学生です。社会人は30代くらいまでの方が多いですね。割合としては女性が多数を占めます。特に社会人のアラサーの女性が「これが最後のチャンス!」と参加されるケースが増えていて、デンマークやフィンランド、スウェーデンといった北欧の国が人気です。
短期プログラムの場合はほとんどが学生で、春休みや夏休みを利用しての渡航が多いです。あとは、年末年始などの休暇を利用して参加する社会人がちらほらいらっしゃいます。「海外」や「ボランティア」といったワードに興味を持っていて、「私にもできるところからやってみます」というような方が多いですね。海外に行くのは初めてという人たちもいます。中には、初海外でケニアでのボランティアに2週間参加するという方も!勇気があるなと感心しました。

イギリスの障害者用施設で長期ボランティア中の中嶋秀さん(写真左)。イギリスの生活で驚いたことは、数多くの障害者を街中で見かけ、障害者のための施設が普及していることだそうです。
© ICYE JAPAN

イギリスの障害者用施設で長期ボランティア中の中嶋秀さん(写真左)。イギリスの生活で驚いたことは、数多くの障害者を街中で見かけ、障害者のための施設が普及していることだそうです。© ICYE JAPAN

Q.30代より上の世代のボランティア志願者はいらっしゃいますか。

A.お問い合わせは増えていますね。なかなか実際に参加するまでには至らないことも多いですが、それでも常に出発待機組の中に1人は40代、50代の方がいるという感じです。これからウガンダに行かれる73歳の男性、「北欧の福祉に興味がある」とデンマーク行きを決めた40代の福祉士の男性、さらに、この年末年始にお子さんたちをお父さんに任せてウガンダに行くというお母さんもいらっしゃいます。みなさん熱意とエネルギーにあふれていて、こちらがビックリさせられることがあるくらいです。

Q.語学力は応募条件に含まれているのですか。

A.私たちは、英語や派遣先の言葉ができなければいけないといった制限は設けていません。その分、ガッツがある人が向いていると思います。「紙に書いてくれる?」「ゆっくり言って」と相手に頼みながらコミュニケーションしていければ大丈夫です。引っ込み思案な人だとちょっと大変かもしれませんが、「そういう自分を変えたいからチャレンジする」という方はもちろん応援します。

ケニアで孤児のサポートをする菰田(こもだ)歩(あゆみ)さん(写真中央下)。現地で10カ月生活し、女性が男性になんでも頼る文化に触れ、HIVの蔓延や10代の妊娠といった問題、なぜ孤児が多いのかが分かってきたそうです。© ICYE JAPAN

ケニアで孤児のサポートをする菰田(こもだ)歩(あゆみ)さん(写真中央下)。現地で10カ月生活し、女性が男性になんでも頼る文化に触れ、HIVの蔓延や10代の妊娠といった問題、なぜ孤児が多いのかが分かってきたそうです。
© ICYE JAPAN

Q.法人向けの研修プログラムも好評だそうですね。

A.企業の社員研修の一環として、入社10年目くらいまでの若手の方にICYEの短期プログラムに参加していただいています。今はメーカーさんが利用してくださることが多いですね。2週間で現地の言葉をマスターするなどということはできませんが、何かタネを持って帰ってきてもらえたらいいなと思っているんです。たとえば机を作っているメーカーの方が、ケニアに行って現地に密着した生活を送ることで、ケニアの人たちが使っている机を直に見ることができます。そうして得た生の情報からビジネス展開を思いつくこともあるのではないかな、と。何を見てくるかは参加者次第ですが、「自分のことも相手のことも知らなさすぎる自分に気づいた」といった感想をいただくことが多いです。「辛い物を食べるとインドで過ごしたときのことを感覚的に思い出す」という方も。そういった発見や記憶がみなさんの体のどこかに残って、いつか何かにつながればいいなと思います。

Q.日本にやって来る外国人ボランティアはどのくらいいるのですか。

A.来日生プログラムでは、年間7~8名ほどの外国人ボランティアを受け入れています。ほとんどが学生で、国籍はデンマーク、スイス、ドイツ、イギリス、フィンランド、アイスランド、コスタリカなど。牧場やフリースクール、お年寄りの介護施設などでボランティアをしています。日本が好きで住んでみたかったという人が多いですね。最初はあいさつ程度の日本語しかできなかった人も、仕事をしていく中でかなりしゃべれるようになります。半年ほどで、広島弁など滞在した地域の方言を身につける人もいてビックリさせられますよ。

デンマークからの来日生Annさん(写真左端)。共働学舎の一員として北海道に滞在。「日本について学んでいるだけでなく、人の価値観にはたくさんの異なる見解があって、正解というものはないと感じています」とレポートしてくれました。
© ICYE JAPAN

デンマークからの来日生Annさん(写真左端)。共働学舎の一員として北海道に滞在。「日本について学んでいるだけでなく、人の価値観にはたくさんの異なる見解があって、正解というものはないと感じています」とレポートしてくれました。© ICYE JAPAN

Q.ギャップイヤーを推進する活動にも関わられているそうですね。

A.ギャップイヤーという概念を日本に広め、ギャップイヤー制度をどのようにして実践的に活用していくかを考えるギャップイヤー・プラットホームという組織に参加しています。今年の6月には、NICE(日本国際ワークキャンプセンター)と共催でギャップイヤー・フェスタというイベントを実施しました。日本では「4年で卒業するのが当たり前。留年なんかしちゃいけない」という風潮がまだまだ強いので、「そんなに小さくまとまらないでいいんだよ!」と学生たちに伝えていきたいですね。本当は、大学と私たちのような国際ボランティアの派遣を行っているNGO/NPOが連携できたらいいのですが、なかなか難しいというのが現状です。それでも、ICYEのプログラムに参加したら単位を出すという提携をしてくださる大学も出てきています。ただ、今のところは短期の海外ボランティアプログラム、もしくは来日生プログラムの手伝いに限られています。

Q.最近の学生は長期間、海外でボランティアをすることに積極的なのでしょうか。

A.今の学生は二極化しているという印象を受けますね。卒業が1年遅れてもチャレンジしようという熱い学生たちがいる一方で、まったく内向きな学生たちも。そういう人は、「不安だし、知らないことだらけだし、危ないし、できないし」と、ネガティブなことばかり考えてしまうようですね。それに、就職活動で有利になるのかということだけに振り回されている人も多いように思います。「海外でボランティアをしたら就職できますか?」と訊かれることがよくあるのですが、「国際ボランティアで何を得てくるか、それをどうアピールして就活につなげるかはあなた次第ですよ」というのが私の考えです。

勤務先を退職、1年間コスタリカのCen Cinai(センシナイ)という保育所で活動した黒澤亜希子さん。帰国後、就職が決定した黒澤さんは、「海外ボランティアの経験が転職活動に役立ったか?と言われると微妙かもしれませんが、結局は自分次第ではないでしょうか」と語っています。© ICYE JAPAN

勤務先を退職、1年間コスタリカのCen Cinai(センシナイ)という保育所で活動した黒澤亜希子さん。帰国後、就職が決定した黒澤さんは、「海外ボランティアの経験が転職活動に役立ったか?と言われると微妙かもしれませんが、結局は自分次第ではないでしょうか」と語っています。
© ICYE JAPAN

Q.国際ボランティアの体験を通して何を得てきたと言われる帰国生が多いですか。

A.「主体性と行動力がついた」という声をよく聞きますね。小さいことですが、バスの乗り降りひとつでも、日本のように停留所があって自動的に停まるというシステムがない国では、「乗ります!」「降ります!」という意思表示をはっきりしないとやっていけません。海外に出たことで、日本のことを見つめ直したという声も多いです。良くも悪くも、まず「日本」をベースにして物事を考える自分を俯瞰して見るきっかけになると思います。

Q.ICYEのプログラムに興味のある方にメッセージをお願いします。

「海外に行ったら絶対に価値観が変わりますよ」と語る事務局長の山田さん。

「海外に行ったら絶対に価値観が変わりますよ」と語る事務局長の山田さん。

A.もしも迷っているなら、絶対に行った方がいいです!ICYEのプログラムは、やる気さえあれば誰でも挑戦することができて、必ずかけがえのない体験が得られます。帰国生を見ていると、職業や生き方についての考え方が柔軟に変化したなと感じます。「正社員じゃないと」とか「離職したらダメ」といった心配をされる人もいると思いますが、帰ってきたらその考えも変わっているはず。やってみたいという気持ちがあるなら飛びこんでみてください。実際に「飛び込んで後悔した」という人を私は知りません。一歩踏み出す勇気がほしい方は、ICYEの事務所へどうぞ!私がいつでも背中を押しますよ!


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