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一般社団法人 日本ワーキング・ホリデー協会 ワーキングホリデー制度を利用してもっと世界に出てほしい!

日本ワーキング・ホリデー協会 東京オフィスにて。松村奈保子さん(中央)、水口沙央理さん(左)、寺園大亮さん(右)。

日本ワーキング・ホリデー協会 東京オフィスにて。
松村奈保子さん(中央)、水口沙央理さん(左)、寺園大亮さん(右)。

6月のクローズアップは、一般社団法人 日本ワーキング・ホリデー協会です。ワーキングホリデーとは、海外での生活を楽しみながら、「学ぶ」「働く」「旅する」など様々な体験をすることができる制度。ワーキングホリデービザを取得できるのは、18歳~30歳までの方で、日本政府が協定を結んでいる国(現在は12カ国)に一定期間(基本的には1年間)滞在することが可能です。今回は、ワーキングホリデービザを利用して渡航する人たちをサポートしている日本ワーキング・ホリデー協会を訪ね、マネージャーを務める松村奈保子さんと、ワーキングホリデー経験者の水口沙央理さん、寺園大亮さんに、最新のワーキングホリデー事情やワーキングホリデー制度を利用して海外体験をする意義などについて、お話を伺って来ました。

Q.日本ワーキング・ホリデー協会はどのようなサポートをしているのですか。

日本ワーキング・ホリデー協会発行のガイドブック。ワーホリや留学の情報が満載です。

日本ワーキング・ホリデー協会
発行のガイドブック。
ワーホリや留学の情報が満載です。

A.松村さん:当協会は、ワーキングホリデー制度の支援と促進を目的として設立されました。各国大使館や政府観光局とも連携しながら、海外への留学生を増やし、各国文化の相互理解を基礎としたグローバル人材となる日本人を育成するために、様々なお手伝いや対策をしています。ワーキングホリデーガイドブックの配布や、セミナーでの情報提供、目的の決まった方に向けた個別のカウンセリング、また、ビザの申請や航空券の手配、保険加入のお手伝いなども行っています。

Q.最近のワーキングホリデー利用者にはどのような傾向がありますか。

A.松村さん:海外生活への憧れによる希望者が多かった中で、最近は、「就職活動で役立つスキルを海外で身につけてきたい」「英語を学んで新しい仕事にチャレンジしたい」などと、帰国後の仕事を意識して渡航される方が増えてきたと感じます。ワーキングホリデーの経験を通して、語学力がつくだけではなく、外国人に対する理解や他人とのコミュニケーション能力もぐんと上がるので、採用内定者にワーキングホリデーに行くようにと勧める取組を行う企業なども少しずつ増えてきているんですよ。また、ギャップイヤー(ギャップターム)の活動としてもワーキングホリデーが注目されています。

東京オフィスでは毎日3~4回、セミナーを開催。さらに最適なプラン作りをサポートする個別カウンセリングも。

東京オフィスでは毎日3~4回、セミナーを開催。
さらに最適なプラン作りをサポートする個別カウンセリングも。

Q.水口さんは、どのようなきっかけでワーキングホリデーに行かれたのですか。

水口さんは、語学の資格を取ると、ご両親にも約束して渡航されたそうです。©日本ワーキング・ホリデー協会

水口さんは、語学の資格を取ると、
ご両親にも約束して渡航されたそうです。
©日本ワーキング・ホリデー協会

A.水口さん:私は以前、ホテルに勤めていたのですが、このままの英語力では自分のやりたいような仕事ができないと実感したので、仕事をやめてオーストラリアのシドニーに行ったんです。語学の上達が渡航の一番の目的でしたから、ワーキングホリデービザを使いましたが、仕事はせずにずっと勉強していて、イギリス英語圏で有名なIELTSという資格を取りました。今は、日本ワーキング・ホリデー協会のスタッフとして働いています。ワーキングホリデーに行って、これまで自分が知らなかったいろいろな職種を経験してきた方たちと出会ったことで、ホテルの仕事だけに執着しなくてもよいのではないかと感じるようになったんです。そこで、帰国してからは、いろいろな仕事を探してみました。そして、最終的にやりたいと思った仕事が、みなさんに自分の体験をお話しするという、このお仕事だったんです。

Q.寺園さんはワーキングホリデーでインターンも経験されたそうですね。

専門学校でビジネスの学位を取得した寺園さん。©日本ワーキング・ホリデー協会

専門学校でビジネスの学位を取得した寺園さん。
©日本ワーキング・ホリデー協会

A.寺園さん:大学を卒業後、ワーキングホリデービザでカナダのバンクーバーに渡航して11カ月滞在したのですが、まず初めに語学学校に通った後、そこに併設されている専門学校で6カ月ビジネスを勉強して学位を取りました。そしてその後に、現地の新聞社でインターンシップをしたんです。メールの作成やファイリングなどの事務作業がほとんどでしたが、自分以外は全員英語のネイティブという環境の中で、1カ月間フルタイムで働きました。実は、渡航前の僕の担当者が松村だったんです。僕は、大学4年のときに初めて短期留学でアメリカに行き、その後バックパッカーとしてインドなどを旅して、その勢いでワーキングホリデーを希望したという感じだったんですが、何もわからないとことから、いろいろとサポートをしてもらって無事に留学できました。

Q.実は、松村さんもワーキングホリデーの経験者だそうですね。

オーストラリア、タリーのバナナファームでの松村さん。©日本ワーキング・ホリデー協会

オーストラリア、タリーの
バナナファームでの松村さん。
©日本ワーキング・ホリデー協会

A.松村さん:そうなんです。私は事務職を5年務めた後に、同じことの繰り返しから脱却したいと、オーストラリアへワーキングホリデーに行きました。ところが、ワーキングホリーデーは大学生くらいの方が多いので、26~27歳でその中に混ざると、社会人経験のある自分の方が何でもできなければいけないという、変な見栄やプライドが出てしまったんですね。「私もランチに連れて行って」と声をかけることができないとか、英語ができる子たちの前で話すことができないとか…。そのせいで、なかなか友だちができず、どんどん殻に閉じこもってしまいました。

Q.そこからどうやって殻を破られたのですか。

殻を破った松村さん、たくさんのお友達を作りました。©日本ワーキング・ホリデー協会

殻を破った松村さん、たくさんのお友達を作りました。
©日本ワーキング・ホリデー協会

A.松村さん:プライドを捨てることが必要だと思い、間違った英語でもいいからどんどんしゃべろう、積極的に友だちを作ろうと頑張ったんです。南米やヨーロッパの方はすごく英語が話せるという印象がありますが、実は文法が苦手。それでも気にせずしゃべっているんです。そういう方たちを見ているうちに、とりあえず何でもいいから話せばいいんだと気づきました。自分の殻から出てこられたのは、2カ月目くらいだったと思います。それから、海外に行って、国籍、性別、年齢が違うことを気にしてはいけないんだ、みんな同じフィールドの上にいるんだ、ということにも気づかされました。こうした自分の経験のすべてが、今、渡航希望者のみなさまをサポートする上で役に立っているので、辛かったことさえも、今は本当に良かったなと思えます。

Q.海外での体験を通じて、強く学んだと思うことを教えてください。

A.松村さん:自己主張することの大切さですね。たとえばホームステイ先で出してくれるご飯をなんでも「おいしい」と言っていたら、自分の苦手なものが毎日食卓に出てきてしまいます。また、声をかけてきた相手のことが嫌なら、きちんと「ノー」と言わないと、いつまでも連絡が来続けます。なんでも「イエス、イエス」と言っていると相手が勘違いしてトラブルになることがあるので、「ノー」と言えるようになることが大事ですね。

シェアハウスでメキシコ人カップルと同居していた寺園さん。©日本ワーキング・ホリデー協会

シェアハウスでメキシコ人カップルと
同居していた寺園さん。
©日本ワーキング・ホリデー協会

A.寺園さん:僕はシェアハウスで他の国の人と共同生活していたのですが、やはり、自己主張は大事だと感じました。何も言わずにいろいろ家事をやっていると、好きでやっているのだと思われてしまいます。「僕も忙しいんだから、そっちもやってほしい」と、はっきり言わないとわかってもらえません。

Q.ワーキングホリデーを経て、物の見方やとらえ方が変わったと感じられますか。

A.水口さん:いろいろな国の人に出会ったことによって、渡航前よりも世界のニュースが気になるようになりました。たとえば、ヨーロッパで地震があったとしたら、「誰さんと誰さんは大丈夫かな?」と、具体的に友だちのことが気になるという点が、行く前と一番変わったところだと思います。

A.寺園さん:僕も、世界がより狭くなったと感じます。南米やアフリカなど、これまで身近に感じたことのなかった国へ行ってみたいと思うようになったのも、海外で生活したことが大きいのではないかと思います。また、これまで「○○人」という意識があったのですが、今は同じ「人間」として見られるようになりました。自分自身を「日本人だ」と意識することも、あまりなくなりましたね。

Q.海外へ出てみたいけれど迷っている、という人たちにメッセージをお願いします。

みなさん、ワーキングホリデーの体験談を生き生きとした笑顔で語ってくれました。

みなさん、ワーキングホリデーの体験談を
生き生きとした笑顔で語ってくれました。

A.水口さん:自分の語学力でコミュニケーションできるのかというところが一番の不安材料だと思いますが、特に語学学校というのは言葉ができない人たちが集まるところです。ちょっと勇気を出して話してみれば、みんなも自分と同じように友だちがほしいけれどそれを口にできていないんだ、と感じることができると思います。

A.寺園さん:僕が気をつけていたのは、新しい人と出会ったときに、固定観念を捨てて心から向き合うということです。言葉は違っても同じ人間。考えていることも似たり寄ったりなので、頑張って伝えようとすれば向こうも絶対にわかってくれますし、そこから友情が芽生えて仲良くなれると思います。

A.松村さん:不安な要因としてよくお伺いする事は2点あります。まず1点目は英語力ですが、私が身をもって感じたのは、言葉ができなくても、一緒にいることで心は通じ合うということです。一緒に過ごす時間を経て友達が出来ると、その中でもっと相手を理解したい、自分のことを伝えたいと思い、英語を習得できるようになります。2点目は、帰国後の仕事や、海外に行き何を習得してこられるかという点です。ワーキングホリデービザは、具体的に何をしなければいけないということが決まっておらず、その人の目的に合わせて十人十色の海外体験ができます。帰国後の自分をイメージし、どういう自分になりたいか、その為にはどういう経験をすべきかを考え、自分自身の目標を作成し、それに向けて海外に行ってほしいと思います。


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