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外国人総合相談支援センター ~外国人の立場に寄よりそう総合相談窓口を~

5月のクローズアップは、新宿区にある外国人総合相談支援センターです。
法務省入国管理局では、日本で暮らす外国人に対し、在留資格など行政手続の案内と生活に関する相談及び情報提供を行うため、地方公共団体の相談窓口と連携してワンストップ型の相談センターを設置しています。しんじゅく多文化共生プラザの中にある「外国人総合相談支援センター」もそのひとつ。今回の取材でお話を伺ったのは、同センターのコーディネーターであり、ベンガル語と英語の相談を担当されている山本ゆみさんです。2012年4月からセンターの運営を受託している特定非営利活動法人国際活動市民中心(CINGA)代表理事の黒澤玉夫さんと副代表理事の加藤博義さんも同席してくださいました。

山本さん(前列)、黒澤さん(後列左)、加藤さん(後列右)。

山本さん(前列)、 黒澤さん(後列左)、加藤さん(後列右)。

外国人総合相談支援センターの設立の経緯を教えてください。


A. 平成20年12月、「犯罪に強い社会の実現のための行動計画2008」が国によって策定され、「多文化共生を可能とする社会基盤の整備」という政策が盛り込まれました。その政策を実現するために掲げられた「総合相談窓口の設置による外国人に対する生活支援の実施」という項目について、法務省が「ワンストップ型の総合相談窓口」として設置したのが本センターです。したがって、入国・在留手続などの行政手続に関する案内だけでなく、生活に関する情報提供や相談に対応できるよう、地域住民や企業・民間団体の自発的な参加を得ながら、外国人住民のニーズに柔軟に対応できる仕組みを構築しつつ業務を行っています。今年の4月からは、弁護士や精神科医などの専門家が集まり、外国人のための専門家相談を行ってきたNPO法人国際活動市民中心(CINGA)が業務を受託し運営を行っています。

このセンターにはどのような人たちから相談が寄せられるのですか。


センターの受付にて。相談は窓口でも電話でも可能。

センターの受付にて。
相談は窓口でも電話でも可能。

A. 日本に在留している外国人やその関係者、関係機関から、電話や窓口で相談を受けています。このセンターが新宿区にあることも関係しているのでしょうが、中国、韓国出身の方からの相談が多いです。相談内容はいろいろですが、やはり東京入国管理局の相談センターということもあり、在留資格関連の相談が多く、約8割を占めています。その他、離婚や子どもの親権、仕事先でのトラブル、子どもの学校についての相談など、生活に関する質問の内容は多岐にわたります。また、こちらに相談に来られる人たちの中には、いくつもの問題を抱えている方も多いです。問題は言語の壁だけではありません。たとえば、離婚の相談であれば、その中に在留資格、子どもの親権、住居、経済的な問題などさまざまな問題が絡み合ってくるのです。

そういった相談にどのように対応されているのでしょうか。


A. 在留資格手続については、法務省入国管理局のホームページに基づいて、きめ細やかな情報提供を行っています。また、これまでは、家族関係、仕事、医療や教育などの相談については、都道府県や各市町村の関係機関をご案内してきましたが、今年度からは弁護士、精神科医、行政書士、社会保険労務士、労働相談員などの専門家相談も行いますので、ほとんどの生活上の相談には、法務省が目指しているまさに「ワンストップ型」での対応が可能になると考えています。専門家相談は、毎月第2金曜日に行いますので予約していただければと思います。このセンターで解決できない内容の場合は、きちんとした回答が得られる関係機関をご案内するようにしています。

現在、8つの言語で対応されているそうですね。

A. 本センターの最大の特徴は、特にインドネシア語、ベトナム語、ベンガル語、ルーマニア語など、自治体等では対応できない少数言語を含めた多言語対応をしていることです。英語、中国語、ポルトガル語の相談員は毎日、ベンガル語は火曜日、木曜日、金曜日の週3日、インドネシア語は毎週火曜日、ベトナム語は毎週木曜日、ルーマニア語は毎週金曜日に対応します。また、本センターには、相談される方、通訳する相談員、専門家の三者を電話で繋ぐトリオフォンもあります。専門家は他に仕事を持っている人がほとんどなので、トリオフォンを使って携帯に連絡し、仕事先でも相談に対応してもらうという体制を作っていきたいですね。そして私たちセンターの相談員は、まず言語でつなぐ、それから相談内容について専門家の方へつなぐという役割をきちっと果たせるよう心がけていきたいと思います。

専門家への相談をスムーズにするトリオフォン。

専門家への相談を
スムーズにするトリオフォン。

今後、どのように事業を展開されていきたいと思われていますか。


外国人総合相談支援センターの事務室。

A. 最初にお話ししました通り、このセンターは「多文化共生を可能とする社会基盤の整備」のために設置されました。そのためには、相談をたらいまわしにせずワンストップで対応できる体制を構築していく必要があります。今年度から開始する専門家相談は、それを実現するための活動として力を入れていきたいと思います。同時にこうしたワンストップ型機能を多くの方々に活用していただくためには、自治体や外国人支援団体などとの情報交換を通じて相互の顔が見えるネットワークの構築も図る必要があると考えています。

読者に向けてメッセージがありましたらお願いします。


A. 今年7月には、新しい在留管理制度が導入されますので、混乱のないよう、在留外国人のみなさんに多言語できちんと説明できるよう工夫していきたいと考えています。また、外国人の方からのご相談だけではなく、外国人支援団体の関係者のみなさん、外国人を雇用している会社の方からのご相談も承ります。どなたからでもどんなことでも、まずお話を伺うというのが本センターのスタンスです。相談は月曜~金曜の午前9時から午後4時まで、電話と窓口で受け付けていますのでぜひご利用ください。


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