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東京外国人雇用サービスセンター
日本企業への就職を希望する外国人を支援する

2月のクローズアップは、東京外国人雇用サービスセンターです。
“外国人のためのハローワーク”として知られるこのセンターでは、日本での就職を希望する外国人を支援するとともに、外国人を雇用したいという企業への情報提供なども行っています。2月に六本木から西新宿への移転が決まっているセンターを訪ねて、室長の竹山正さんと専門援助第三部門統括職業指導官の山片健司さんにお話を伺ってきました。

東京外国人雇用サービスセンター 受付

東京外国人雇用サービスセンター受付

東京外国人雇用サービスセンターの設立の経緯を教えてください。


センター内
求人情報検索用の端末が並んでいる

A.当センターが設立されたのは1993年の10月です。バブル期の当時、人手不足で外国人を雇用したいという企業のニーズが高まり、政府も専門性のある仕事や技術的な仕事ができる外国人をできるだけ受け入れていくという方針を打ち出していました。また、1983年に中曽根内閣が「留学生10万人計画」を掲げたことから、日本で働きたいという外国人留学生が増えることも見込まれていました。しかし、この頃のハローワークでは外国人のための相談体制が十分でなく、事業主側も外国人を雇用するにあたってどこに求人を出したらいいのかよくわからないという状況でした。そこで、求職者側である外国人と、求人者側である企業のニーズをマッチングするために、外国人雇用サービスセンターが作られたのです。当センターは厚生労働省所属の機関であり、東京労働局の品川公共職業安定所(ハローワーク品川)の下部組織という位置づけになります。

どのような人たちを対象にサービスを提供しているのですか。


A.こちらで対象としているのは、日本での就職を希望する外国人留学生と、専門的・技術的分野の在留資格を持っていて日本国内で転職を希望される方です。専門的・技術的分野の在留資格で主なものを挙げますと、「人文知識・国際業務」「技術」「技能」の3種になります。割合としては留学生の方が少し多いでしょう。日本人の配偶者や定住者など就労に制限のない在留資格を持っている方の場合は、新宿の歌舞伎町にある新宿外国人雇用支援・指導センターで相談を受けています。また、留学生のアルバイトについての相談も新宿のセンターで対応しています。

外国人留学生の雇用を希望する企業は増えているのでしょうか。


壁に貼られた新入社員のマナーに関する掲示物

A.だんだん増えてきていますね。そして実は、留学生を雇用している企業の約8割は、日本人学生と外国人留学生とをまったく区別なく採用しています。つまり、会社のHPに採用情報をアップして、留学生が応募してきたら、普通に日本人の学生と一緒に選考するというケースが多いのです。一方、当センターに来る求人は、留学生専用のものです。企画営業や貿易関係など、母国とやりとりするものが多く、「中国語や韓国語が必要だから留学生が欲しい」という求人ですから、留学生も応募しやすいと思います。また、こちらに相談に来る企業の中には、初めて留学生を雇用するところもあり、「留学生を採用したいのだけれど、どうやって募集をかけたらいいのか」という相談からスタートすることも多いです。

留学生のためのインターンシップを行われていますね。

A.「留学生インターンシップ」は3年生を対象として、夏休みと春休みの期間に行っています。例年、春は約20社、夏は40社くらいの企業にご参加いただいています。外国人留学生の場合には、各企業について知る前に、まず日本の企業とはどういうものかを知ってもらうというステップが必要です。また、外国人留学生の雇用に興味はあるけれど留学生についてよく知らないという企業にとっては、留学生と直接触れ合うよい機会になると思います。留学生は日本人の学生に比べて就職活動の動き出しが遅いので、夏のインターンシップよりも、4年になる直前の春休みのインターンシップにたくさんの問合わせがあるのが特徴です。

各大学との連携も取られているのですか。


A.もちろんです。全国約700の大学にメールマガジンを送って、インターンシップや企業との面接会の情報などを流しています。また、私どもでは、同じく3年生を対象として、日本の就職活動のアウトラインを知ってもらうための「外国人留学生就職ガイダンス」も行っています。こちらはセンターでも月に1~2回開催しているのですが、メインは大学から依頼をいただいて行う出張ガイダンスです。実は、どこの大学の就職課でも、なかなか留学生が相談に来ないというのが悩みの種のようです。当センターで開催するセミナーに参加した留学生に話を聞いてみても、就職課に行ったことがないという留学生が多いのに驚かされます。最初に行くべきところは一番身近な大学の就職課というのは、常に留学生たちに言っています。大学の就職課に相談した上で、仕事探しのツールのひとつとして当センターを利用してほしいですね。

その他、センターが行っている留学生の就職支援事業について教えてください。


就職座談会の様子

A.「現役留学生の就職座談会」では、内定の決まった学生さんに講師をお願いして体験談を聞かせてもらっています。約10人程度の少人数で、フリートーク形式で行います。「就活生のためのマナー講座」は、同じハローワーク品川の中にある学生職業総合支援センターが主催しているセミナーで、日本人の学生と一緒に受けていただきます。「外国人留学生・転職者のための面接対策セミナー」と「書類対策セミナー」は、留学生も中途採用の方も参加できるものです。

企業と留学生の就職面接会も行われていますね。

A.就職面接会は、4年生を対象として行っています。まず、4月の最終週に第1回目の面接会を行うことが多いです。4月、6月、10月に行われるものは、年間計画であらかじめ開催が決まっており、大手・中堅企業を中心に20~30社くらいが集まる比較的大規模な面接会です。そのほかにも5社ぐらいの企業が集まれば、随時面接会を設定するようにしています。場合によっては、1社、2社で面接会を行うこともあります。

就職面接会の様子

面接会などの情報は、どのようにして留学生に告知されているのですか。


座談会、マナー講座についてのチラシ

A.当センターに求職登録をしていただいた方には、面接会やインターンシップの情報をダイレクトメールでお知らせしています。実際に仕事の紹介ができるのは4年生になってからですが、求職登録は3年生から可能です。外国人登録証と学生証を持って来所していただければ登録できますので、ぜひ一度お越しください。もちろん求職登録をしていない方でも、面接会やインターンシップへのエントリーは受け付けています。センターのサイトでお知らせしているほか、大学の就職課などでも告知されますのでどんどん足を運んでいただきたいと思います。

求人情報を探す上で、センターが他のハローワークと異なる点を教えてください。


A.提供している情報自体はどこのハローワークも同じなのですが、外国人雇用サービスセンターでは、外国人向けの求人情報にたどり着きやすいようになっています。例えば、当センターの端末はキーワード検索ができるようになっていて、「日本語能力」「中国語」「グローバル人材」といった言葉を入力して自分の希望する求人情報を検索することができます。またセンターでは、外国人向けもしくは外国人歓迎という求人をプリントアウトし、ファイルにまとめて提供しています。効率よく外国人向けの求人を探すことができるというのが、一般のハローワークとの大きな違いです。

キーワード検索が可能な端末機 外国人向けの求人がまとめられたファイル

通訳と在留資格のアドバイザーも配置されているそうですね。


A.中国語の通訳が1人、英語の通訳が1人、原則として毎日対応しています。留学生の場合まず通訳が必要ということはありませんから、通訳を利用されるのは、専門的・技術的分野の在留資格を持っていて、日本国内で新しい仕事を探しているという方です。また、在留資格について相談される方が非常に多いので、入国管理の担当アドバイザーも配置しています。どちらも予約は必要ありませんが、まれに不在の場合もありますので、来所前に電話でご確認ください。

センターの移転について教えてください。


A.2月20日に、六本木から西新宿に移ります。ハローワーク品川が芝に移転するのですが、東京外国人雇用サービスセンターと学生職業総合支援センターは西新宿への移転となります。新宿はキーステーションですし、大学の多い多摩地域や、埼玉、千葉、神奈川方面からのアクセスを考えると、これまでより便利になるという方が多いのではないでしょうか。

【移転先】
〒163-0721
東京都新宿区西新宿2-7-1 小田急第一生命ビル21階

最後にセンターを利用される外国人の方たちにメッセージをお願いします。


A.留学生の方はとても真面目で、学校の授業や行事を就職活動よりも優先するという傾向がありますが、それは就職活動においては、不利になってしまうこともあります。日本人の学生とも交流して、就職活動の情報収集を行ってほしいです。転職者の方に対しては、安易に会社を辞めないでほしいと思っています。転職が当たり前という欧米と違い、日本は決して転職が楽な国ではありません。リーマン・ショックから立ち直ってきたとはいえ、欧州の金融危機もあって、非常に厳しい状況が続いています。会社を辞めて日本にいられなくなってしまうと、せっかく日本に来た意味がなくなってしまうので、在職したまま仕事を探すということも考えていただきたいですね。当センターでは在職中の方の求職登録も受け付けていますので、ぜひご利用ください。



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