column1 インド人コミュニティーの増加で設立~インド国際学校

 IT産業の隆盛に伴い、インドから来日する若手技術者が増えています。区内に住むインド人は5000人を超え、10年前の5倍になっています。短期で転勤することが多い彼らにとっての悩みは子どもの教育だと言います。欧米系のインターナショナルスクールは学費も高いことから、インド式の教育を行う学校を望む声が強くなり、その要望に応えたのが、NHK国際放送アナウンサーを務めるニルマル・ジェインさんです。ジェインさんは仲間とNPO法人を組織し、昨夏インド国際学校(江東区)を開校しました。森下駅からほど近いビルを使った校舎では、子どもたちが英語、ヒンディー語、日本語から、数学などの基礎科目、そしてインド文化まで、幅広く学べる環境が整えられています。ジェインさんにお話を伺いました。

Q 学校設立の経緯を教えてください。
A 日本にいるインドの子どもたちに教育を授けたいということで、仲間とNPO法人を立ち上げ、2004年8月に開校しました。西葛西周辺にインド人コミュニティーが多いので、場所は東西線沿線に近い今の場所(都営新宿線・大江戸線森下駅近く)になりました。

Q 何クラスあるのですか?
A 3年保育の幼稚園クラスと5年間の小学校クラスが1つずつあります。開校時から入学者数は増え、現在では100人以上います。国籍はインドの他、日本人やバングラデシュの子どももいます。学費は都内のインターナショナルスクールのおおよそ3分の1くらいです。今後は中学生以上のクラスも作りたいと考えています。

Q 母国文化の教育も大切にされているそうですね。
A はい。いずれは子どもたちがインドに帰国することを想定して、英語でインド文化を教えていますし、ヒンディー語の授業もあります。授業内容は、記憶力よりも思考力を重視し、“覚える”より“学ぶこと”に力を入れるインド独自の教育方式を導入しています。

Q 地域との交流はしていますか。
A インドの食べ物や服、ダンスなどを紹介するパーティーを開くなど、地域に対して学校を紹介する工夫はしています。

Q 運営上、問題点はありませんか?
A 学校の運営はすべて順調に行っています。学校の認可を受けていないことで、交通費の学割が受けられないなどの問題点は確かにありますが、行政のサポートというのは、経済面だけに限りません。ここで学校を開いていられるのも考えてみれば1つのサポートですし、地元の警察の方々は子どもたちが通学する際の安全を考えてくれています。私たちは今のところそれでも十分だと思っています。



column2 地球を歩き、生命の尊さ伝える「木を植える男」ポール・コールマンさん
戦争で犠牲になった人のため、環境保護の大切さを伝えるため、世界中を旅しながら木を植える“アースウォーカー”ことポール・コールマンさん。現在は、「20世紀の戦争で犠牲になった1億人のため、1億本の木を植えることを目標に、たくさんの人に働きかけ、行動を起こしてもらおう」と、イギリスから2010年の中国到着を目指して歩き続けています。昨年から日本に滞在中のコールマンさんのユニークな活動を紹介します。


コールマンさんは1954年イギリスのマンチェスター生まれ。アイスランドへの自転車1人旅をきっかけに大自然に魅せられ、環境保護活動に生涯を捧げることを心に決めたと言います。1990年、エリザベス女王の友人である裕福な夫人のお抱え運転手という優雅な生活を投げ打って、単身カナダからブラジルを目指して歩き始めました。2年後、「第1回地球サミット」の開催地であるリオデジャネイロに到着。その勇気と行動力で世界中を驚かせました。植樹活動を始めたのはこのときからです。

活動は“アースウォーカー”の愛称で世界に知られるようになりました。国連認定NGO“We the Peoples Initiative”の平和大使となり、1995年にはサンフランシスコから紛争が続いていたボスニア・ヘルツェゴビナに向けて歩き、平和を願って1本の木を植えました。その後、平和条約についての話し合いが行われたサラエヴォの連合総会でスピーチを行っています。地球上のすべての尊い命を無情に奪う戦争を目の当たりにしたこの経験から、植樹に「(人間だけでなく自然も含めた)すべての生命を守ろう」というメッセージを込めるようになりました。

2000年、コールマンさんは、「20世紀の戦争で犠牲になった1億人のため、1億本の木を植えよう。そのため、さらにたくさんの人に働きかけ、行動を起こしてもらおう」と、大きな目標を掲げます。現在、イギリスからアフリカ経由で2010年の中国到着を目指し、約3万3000kmの道のりを歩いているところです。

昨年6月、南アフリカから意気投合し、一緒に歩いている日本人の友人の縁で来日しました。富士山のふもとから広島、長崎までを歩きながら、各地で地元の人たちが望む木を提供してもらい、神社や寺院、公園、学校、民家で、ドングリ、サザンカ、ヤマザクラ、サカキなどの記念植樹を行いました。

今年5月には、「地球を愛する100人」に選ばれ、愛知の「愛・地球博」で講演しています。6月から8月までは、沖縄戦で亡くなった23万人のため、23万本の植樹を目指して、戦後60周年の沖縄本島を歩きました。激しい戦闘で緑がなくなってしまったと言われる糸満市では、アースウォーカーの活動に市も賛同し、今後1万本の木が植えられることになりました。

多くの人の善意に支えられ、既に37の国と地域の約4万2千kmを歩き、600万本以上の木を植える偉業を達成しています。コールマンさんは「1人の小さな思いが、10人、100人と、どんどん広がって大きな力に成り得ることが分かった。だから、自分は希望を持って旅を続けている」と語っています。

■ポール・コールマンさんの都内での講演予定
11月16日/文京シビックホール
映画「ストーンエイジ」上映後、江本勝氏(『水は答えを知っている』著者)、グンダー・パウリ氏(ゼロ・エミッション代表)とのパネルディスカッションを予定。なお、今後の講演活動や植樹についての依頼およびお問い合わせは、以下のアドレスまで。
E-mail:earthwalkerpaul@yahoo.co.jp(菊池木乃実さん宛て)

関連図書
『木を植える男 ポール・コールマン 4万2000キロ徒歩の旅』



column3 国際交流・協力まめ知識
知ってて得する!?国際協力のあんなこと、こんなこと。

フードマイレージとは?
 フードマイレージとは、 食べ物がとれたところから食べるところまで運ばれる距離のことです。 輸送で排出されるCO2量が距離から計算できるので、地産地消、CO2削減、両方の指標となります。 例えば、日本人が食べる食パンの小麦は、99%が外国からの輸入。 一番多いのがアメリカのアイオワ州の小麦で、日本まで運ばれる距離の合計は11277kmです。 この輸送の際に出るCO2は、パン1斤あたり184g。一方、国産の小麦を一番作っている北海道から東京までは、トラックで831km。 このとき出る二酸化炭素はパン1斤あたり34.7g。つまり、意識して国産小麦のパンを買うことは、 輸入小麦のパンを買うよりCO2を減らしたことになるのです。
現在、「できるだけ近くでとれたものを食べよう」というフードマイレージ・キャンペーンの活動が、 国内で広がってきています。



バックナンバー


地球村へのパスポート9月号
・Slow is beautiful!地域から世界を考える~カフェスローの試み
・STOP!子どもの買春・人身売買日本の旅行・観光業界が「コードプロジェクト」に調印
・LOHASって何?

地球村へのパスポート8月号
・カンボジアで小学校の建設目指す~映画「TAIZO」の中島多圭子監督
・伝えよう、ホワイトバンドのメッセージ~ほっとけない 世界のまずしさキャンペーン
・250人にひとつの蛇口

地球村へのパスポート7月号
・たぶんかフリースクール~外国籍の子どもたちの居場所づくり
・特別コラム: シニア世代だからできる国際協力
・海を渡った日本の母子手帳

地球村へのパスポート6月号
・ピースボール~サッカーが世界をつなぐ
・特別コラム: 有機農場で、お金で買えない貴重な体験してみませんか?
・6月12日はバザー記念日

地球村へのパスポート5月号
・容器包装リサイクル法について考える
・特別コラム: 今日からはじめるエコ生活
・環境にやさしいリターナブルビン

地球村へのパスポート4月号
・京都議定書について
・特別コラム: 環境問題
・世界地図から消えてしまう恐れのある国 ツバル

地球村へのパスポート3月号
・(社)シャンティ国際ボランティア会インタビュー 緊急支援について
・特別コラム: 寄付金への意識
・世界最古の消防隊ローマから誕生

地球村へのパスポート2月号
・AMDAインタビュー 緊急支援について
・2月号特別コラム インドネシア・スマトラ島沖地震・津波災害に対する
    国際支援について日本のNGOを紹介

・国際用語 TSUNAMI

地球村へのパスポート1月号
・環境問題を考える
・1月号特別コラム 日韓友情年2005 ~進もう未来へ、一緒に世界へ~
・国際交流・協力まめ知識 スラム街からの贈り物
地球村へのパスポート12月号
・チャリティについて
・12月号特別コラム 世界人権宣言
・国際交流・協力まめ知識 外国の切手になった野口英世
地球村へのパスポート11月号
・国際協力に参加するには
・11月号特別コラム 世界エイズデー
・国際交流・協力まめ知識 エイズ~音のない戦争
地球村へのパスポート10月号
・国際協力に参加するには
・10月号特別コラム 国際コメ年と世界食料デー
・国際交流・協力まめ知識 ネリカ米 アフリカの救世主
地球村へのパスポート9月号
・国際協力に参加するには
・災害を通して命の大切さや協力の大切さを知る
・国際交流・協力まめ知識 厳冬の日本にモンゴルの温かい友情
地球村へのパスポート8月号
・国際協力に参加するには
・8月号特別コラム 100万人のキャンドルナイト
・国際際交流・協力まめ知識 バーチャル・ウォーター
地球村へのパスポート7月号
・国際協力の現場を訪ねるスタディツアー
・7月号特別コラム 人工問題は地球の未来の問題
・国際交流・協力まめ知識 世界の環境大都市だった江戸
地球村へのパスポート6月号
・暮らしの中でできる国際協力「フェアトレード」
・6月号特別コラム 「世界難民の日」に難民問題と国際協力を考える
・国際交流・協力まめ知識 戦後の日本人に希望をくれた国際協力
地球村へのパスポート5月号
・国際協力とは?
・5月号特別コラム -アースデイを通して国際交流・協力を考える-
・国際交流・協力まめ知識 -日本も世界から援助されたことがあった-
top
東京都国際交流委員会 れすぱすトップ バックナンバー 地球村へのパスポート アパートれすぱす 今月のピックアップ