column1 たぶんかフリースクール~外国籍の子どもたちの居場所づくり

  外国籍の子どもたちを支える様々なプロジェクトに取り組んでいるNPO法人「多文化共生センター・東京21」が6月、荒川区西日暮里で「たぶんかフリースクール」を始めました。元都立高教諭で代表の王慧槿さんにお話を伺いました。

Q 立ち上げのきっかけを教えてください。
A 多文化共生センター・東京21では、2001年から「子ども」と「ことば」をテーマに日本語の学習支援、進路ガイダンス、生活相談など、様々な活動に取り組んできました。来日した外国籍の児童・生徒の多くが、公立校の「適応指導」のみでは日本語の習得が不十分なため、授業についていけず、高校入試で壁にぶつかっています。これまで週1度、日本語クラスや進学相談を行っていましたが、もっと時間を増やしたいと感じていました。地域の大人向け日本語教室を掛け持ちしている子どももいるのですが、学校と連携をとれず、成果も見えづらいのが現状です。これまでのサポートをさらに充実させていこうと、活動時間を週4回に増やしたのが「たぶんかフリースクール」です。

Q 子どもたちの現状を示す具体的なデータはありますか?
A いくつかのボランティア団体と協力して実施した高校進路ガイダンスのアンケート(2004年)で中学3年生の滞日数(受験年の2月まで)を調べたところ、回答者63人のうち最も多かったのが1年以上2年未満の24人、次が1カ月以上1年未満の10人と、半数以上が2年未満の滞在で受験期を迎えていることが分かりました。さらに、滞日3年未満の中学3年生の「話す」「聞く」「読む」の日本語能力を調べてみると、「問題なし」の評価を受けた子はたった1人。つまり、その他全員が、日本語能力が十分でないまま進学の岐路にあるという厳しい現状が浮かび上がっています。

Q その他、問題点はどんなところですか?
A 都立高の外国人特別入学枠なども確かにありますが、現実的には門戸が狭すぎることが問題だと思います。他の教科に関しては優秀な子も多いので、枠が広がればいいし、奨学金制度もあればいいと思うのですが…。あと、受験に際して、子どもたちは「受からないんじゃないか」という恐怖感や焦りが強い。スクールでは臨床心理学の専門スタッフも招き、心のサポートも充実させていきたいと思っています。

Q 運営の協力はできますか?
A 一定の授業料もとりますが、運営資金は厳しい状況なので、寄付を受け付けています。現状の制度下で外国籍の子どもたちが力をつけられないということは、結果的に未来の社会に跳ね返ってくることだと思いますので、皆で温かく支えていけるよう、よろしくお願いします。

ホワイトボードなどの事務所用品を募集中。
寄付にご協力頂ける方は、郵便局で振り込み用紙に名前と連絡先を記入の上、(口座番号:00110-8-407588、加入者名:多文化共生センター・東京21)までお振り込み下さい。

【問い合わせ先】
NPO法人多文化共生センター・東京21
〒116-0013東京都荒川区西日暮里2-57-2-2F
TEL/FAX: 03-3801-7127
http://www.tabunka.jp/tokyo/

column2 れすぱす7月号 特別コラム: シニア世代だからできる国際協力
 


 戦後の荒廃から立ち上がり、今の豊かな日本を築いてくれた世代が、未来の地球に思いを馳せ、「第2の人生」から国際協力に参加するというのは、何とも素敵なことではないでしょうか―。

代表的なボランティア団体に、「財団法人日本シルバーボランティアズ(JSV)」があります。アジア開発銀行総裁を務めた渡辺武さんら有志が1977年に組織し、農業、工業など幅広い分野の技術指導者を派遣してきました。派遣期間は原則として1カ月程度で日本語教師は1年。対象は40歳以上です。

また、国際協力機構(JICA)が行っているボランティア事業の中にも1990年にスタートした「シニア海外ボランティア」があります。シニアの方々の長年の社会経験や知識、専門技術などを生かして、途上国での人材育成や国づくりに協力しています。派遣期間は2年(※今年度春から新たに短期派遣制度も新設されています)で、対象は40歳から69歳までです。

両組織の応募者は、企業出身者や美容師、SE、自動車整備士、看護師などの専門職、あるいは、音楽や洋裁、囲碁などの趣味を生かす人まで実に様々。健康で気力にあふれたシニア世代が、次々と新たな世界でのチャレンジをしています。

国際協力も基本は人間と人間との付き合いですから、長く企業戦士として働いてきたシニアならではの知恵が生かせます。実際に「企業で培った経験や人脈、専門知識が、総合的に派遣国での活動に役立った」と振り返る体験者も少なくありません。

昨年末、環境・人権・ジェンダーなど地球規模の課題に取り組んでいるNPO法人「いきいきフォーラム2010」が発行した『シニアのための国際協力入門~地球と子どもの未来のために』にも、シニア・ボランティアたちの生き生きとした体験談がたくさん載っていて参考になります。前半部分では、国連や国際機関、NGOが取り組む課題を9人の専門家が分かりやすく報告しており、現在の国際協力の基本をつかむことができます。

今年戦後60年です。日本もかつては世界各国から援助物資を受け、復興への一歩を踏み出しました。国際協力は「第2の人生」をより豊かで有意義なものにしてくれるだけでなく、困ったときはお互い様という国境や人種を超えた連帯感や絆をぐっと強めてくれるはずです。

財団法人日本シルバーボランティアズ(JSV)
〒101-0032千代田区岩本町2-2-16玉川ビル6階
TEL: 03-5835-5735
FAX: 03-5835-5736


column3 国際交流・協力まめ知識
知ってて得する!?国際協力のあんなこと、こんなこと。

 日本では、妊婦なら誰もが持っている母子手帳。この母子手帳がインドネシアでも活用されています。
 ことの発端は、あるインドネシア人医師が日本の母子手帳を目にしたことです。 インドネシアにも母子手帳はありましたが、使い勝手が悪く、あまり役立っていませんでした。 インドネシアの高い乳児死亡率改善のためにもぜひ日本の母子手帳を導入したいと、その医師は考えたのです。 その結果、母子手帳導入計画がJICAの『家族計画/母子保健』プロジェクトとして立ち上がり、1994年にサラティガ市で配布されました。 語学が苦手な母親にも理解しやすいようにイラストを導入し、妊婦向けの育児書としても役立つ保健情報を掲載、 そしてひと目で母子手帳とわかるようなピンク色の装丁にするなど、インドネシアの現状に合わせた工夫がされています。


海を渡った日本の母子手帳  現在、サラティガ市の母子手帳配布率90%。まだ配布されていない地域の住民から 「お金を払ってでも手に入れたい」という声が寄せられるほどです。 今では、現地スタッフが母子手帳の普及拡大プログラムの実行に動き出すほどまでになりました。また、JICAのプロジェクトは1994年に終了しましたが、 その後を引き継いだ2人の日本人の専門家が、今も母子手帳の普及活動に取り組んでいます。日本から渡った母子手帳は、 着実にインドネシアで定着しつつあるのです。[出典:外務省ホームページ]


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