column1 ピースボール~サッカーが世界をつなぐ

 世界各地の人たちと出会い、つながりを持つことで、主体的に地球上のあらゆる問題を考えていこうと地球一周の船旅を企画している非営利のNGO「ピースボート」(事務局・高田馬場)。これまでに発足した数多くのプロジェクトの1つに、世界の子どもたちにサッカーボールを届ける「ピースボール」プロジェクトがあります。活動の概要について、ピースボートスタッフの森田安里さんにお話を伺いました。

Q ピースボールが始まったきっかけは何ですか?
A ピースボールは、1998年のピースボートに参加したサッカー好きの青年が立ち上げたプロジェクトです。エチオピアから独立してまもない新生国「エリトリア」を訪れた際、その男性が企画したサッカー交流大会の後、子どもがボールを盗ってしまった事件がありました。

ボールは戻ってきたものの、その一件が深く心に刻まれた彼は、帰国後、エリトリアの歴史や現状について調べました。独立内戦直後の国で暮らす子どもたちは親が殺されてしまっている場合も多く、遊び道具などなかったのです。衝動的に盗ってしまった子どもにとって、サッカーボールは「希望」のように見えたのだと考えました。そして、彼は日本で何かできないかと思い立ち、「家で眠っているサッカーボールをエリトリアに贈りませんか」と呼びかけたのです。

Q これまでにどのくらいのボールを届けているのですか?
A サッカーは世界中誰でもできるスポーツだと思っていたのに、そうでないことに皆が気づき始めると、活動の輪は次第にアジア各国、中南米諸国へも広がっていきました。サッカー王国と言われるブラジルにも275個を贈っています。ブラジルの「ファベーラ」というスラム街では、ボールの代わりにペットボトルをつぶしたものなどで子どもたちがサッカーをしていました。これまで集めたボールは約4,500個、届けたボールは39カ国でおよそ3,600個になります。

Q これまでに印象的だった活動など教えてください。
A 2004年、ボスニアの多民族混成少年サッカーチーム「FKクリロ」を訪ねて、交流しました。FKクリロは、NGOサラエヴォ・フットボール・プロジェクト代表の森田太郎さんが、ボスニア紛争後、居住地区も分かれ、対立感情の強かったセルビア人、クロアチア人、ムスリム系の子どもたち間の壁を取り払おうと立ち上げたものです。民族融和を目指し、平和への第一歩としてサッカーが人と人との仲を取り持つ力を目の当たりにして、「あぁ、すごいなぁ」と実感しました。

Q 参加するための条件などありますか?
A 活動はボール1つでできることでとてもシンプル。サッカーは世界の共通語で、たくさんの人が「何?何?」と関心を持って近寄ってくる、非常に魅力のあるコミュニケーションツールです。そういう意識を持ってサッカーを通じて何かしたい、出会いたいと熱く思っている人、地球レベルでサッカーをしたいと思っている人はぜひ、参加してください。
【問い合わせ先】
ピースボートセンターとうきょう・ピースボールプロジェクト
〒169-0075 東京都新宿区高田馬場3-13-1ノークビルB1
Tel:03-3362-6307
p-ball@peaceboat.gr.jp

column2 れすぱす6月号 特別コラム: 有機農場で、お金で買えない貴重な体験してみませんか?
 


 恵まれた自然環境の中でおいしい空気を吸い、地元の人たちと交流しながら土に触れる。採りたての新鮮素材をふんだんに使った料理を頂く。こうした収穫体験のできる農家レストランなどで休日を過ごす観光客がじわじわ増えています。

 人気の農業体験を一歩進め、実際に少し農家で働いてみたい。農家の人ともっとじっくり交流してみたい。それも、農薬や化学肥料を使わない有機農場に出かけてみたい。今月はそんな旅を望んでいた方々にWWOOF(ウーフ)という登録制の国際組織をご紹介します。WWOOFはWilling Workers on Organic Farms(有機農場で働きたいと思っている人たち)、またはWorld Wide Opportunities on Organic Farms(世界に広がる有機農場の機会)の頭文字で、国内外の農場にステイする旅をあっせんしてくれます。活動は1971年にイギリスで始まりましたが、今では世界20カ国以上に事務局があります。日本事務局は1994年、北海道の札幌市に設置されました。

 WWOOFは「ホスト」である農場と、滞在を希望する「ウーファー」とが金銭のやりとりなしで「食事や宿泊場所」と「労働力」を交換する仕組みです。バックパック1つでリーズナブルな旅ができることはもちろん、気さくで心温かい農家の人々と触れ合えるのが何よりも魅力です。日本の若いウーファーの中には、国内や世界各国でのWWOOF体験をきっかけにすっかり農業に魅せられ、ついには専業農家になってしまった会員もいるほどです。

 WWOOF日本への年間登録費は4,000円です。登録者にはホストリストが送られてきますので、北海道から沖縄まで約120カ所の登録ホストから希望の農場を選べます。受け入れ期間も、数日間から1年におよぶ長期滞在までホストによってさまざまですので、自分の予定に応じて活動できます。

 一方、海外のWWOOFを活用したい場合は、その都度、希望国の事務局に登録する必要があります。ただし、農家は交流とともにウーファーの労働力も強く求めているので、通常のツアー気分では成り立ちません。ある程度の自立心と心構えは必要なので、自信のない人はまず、日本でのWWOOFを体験してから海外のWWOOFへと活動を広げるのが良いでしょう。

 現在、日本事務局の登録ウーファーは1,000人を超えます。半数は海外からの登録者のため、ホストには国際交流、国際協力に関心の高い方が多くいます。農業はその国の大地や自然環境、気候条件などと深く密接した職業ですから、海外でのWWOOF体験も、通常の観光旅行では味わえない学び、出会い、発見に恵まれた貴重な国際交流の機会となることでしょう。

関連サイト
 ・WWOOFのルポ・ガイド本『泥だらけのスローライフ』

column3 国際交流・協力まめ知識
知ってて得する!?国際協力のあんなこと、こんなこと。

 1884年(明治17年)の6月12日、日本初とされるバザーが鹿鳴館で行われたことにちなみ、この日はバザー記念日となっています。現在は「フリーマーケット」「フリマ」の名称で親しまれ、休日ごとにさまざまな公園や広場の一角で盛り上がりを見せています。また、売り上げを国際交流のための資金に充てるなど、チャリティを目的としたフリーマーケットも、頻繁に行われるようになりました。
フリーマーケット「Flea Market」の「Flea」は「Free」と同じ発音のため、区別するために「フレアマーケット」と呼ばれることもあります。古着や未使用の引出物、記念品など、売買されるものは自宅の不用品が中心。着なくなった服を捨てずにフリーマーケットに出して人の手に渡れば、それは立派なリサイクル。買い物を楽しみながらモノを大切にする気持ちも再認識する、そんな記念日でありたいものですね。


6月12日はバザー記念日


バックナンバー


地球村へのパスポート5月号
・容器包装リサイクル法について考える
・特別コラム: 今日からはじめるエコ生活
・環境にやさしいリターナブルビン

地球村へのパスポート4月号
・京都議定書について
・特別コラム: 環境問題
・世界地図から消えてしまう恐れのある国 ツバル

地球村へのパスポート3月号
・(社)シャンティ国際ボランティア会インタビュー 緊急支援について
・特別コラム: 寄付金への意識
・世界最古の消防隊ローマから誕生

地球村へのパスポート2月号
・AMDAインタビュー 緊急支援について
・2月号特別コラム インドネシア・スマトラ島沖地震・津波災害に対する
    国際支援について日本のNGOを紹介

・国際用語 TSUNAMI

地球村へのパスポート1月号
・環境問題を考える
・1月号特別コラム 日韓友情年2005 ~進もう未来へ、一緒に世界へ~
・国際交流・協力まめ知識 スラム街からの贈り物
地球村へのパスポート12月号
・チャリティについて
・12月号特別コラム 世界人権宣言
・国際交流・協力まめ知識 外国の切手になった野口英世
地球村へのパスポート11月号
・国際協力に参加するには
・11月号特別コラム 世界エイズデー
・国際交流・協力まめ知識 エイズ~音のない戦争
地球村へのパスポート10月号
・国際協力に参加するには
・10月号特別コラム 国際コメ年と世界食料デー
・国際交流・協力まめ知識 ネリカ米 アフリカの救世主
地球村へのパスポート9月号
・国際協力に参加するには
・災害を通して命の大切さや協力の大切さを知る
・国際交流・協力まめ知識 厳冬の日本にモンゴルの温かい友情
地球村へのパスポート8月号
・国際協力に参加するには
・8月号特別コラム 100万人のキャンドルナイト
・国際際交流・協力まめ知識 バーチャル・ウォーター
地球村へのパスポート7月号
・国際協力の現場を訪ねるスタディツアー
・7月号特別コラム 人工問題は地球の未来の問題
・国際交流・協力まめ知識 世界の環境大都市だった江戸
地球村へのパスポート6月号
・暮らしの中でできる国際協力「フェアトレード」
・6月号特別コラム 「世界難民の日」に難民問題と国際協力を考える
・国際交流・協力まめ知識 戦後の日本人に希望をくれた国際協力
地球村へのパスポート5月号
・国際協力とは?
・5月号特別コラム -アースデイを通して国際交流・協力を考える-
・国際交流・協力まめ知識 -日本も世界から援助されたことがあった-
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