column1 AMDAインタビュー 緊急支援について

 岡山県に本部を置くAMDAは、1984年に設立されたNGO・国際医療ボランティア組織です。アジア、アフリカ、中南米において、戦争・自然災害・貧困などにより社会的・経済的に恵まれず社会から取り残されている人々への医療救援と、生活状態改善のための支援を実施しています。活動内容は地域医療活動、地域開発活動、医療和平プロジェクトの4つに大別されます。
1995年には、その功績が認められて国連経済社会理事会(UNECOSOC)より国連の協議資格を授与され、2001年には岡山県より「特定非営利活動法人」格を認証されました。現在、アジア、アフリカ、中南米の14カ国で地域開発活動を実施しています。今回のスマトラ沖地震でも、10ヵ国が参加しているAMDA多国籍医師団やスリランカ事業派遣者チームなどのネットワークと活動実績を駆使した救援活動を、インドネシア・スリランカ・インドの3ヵ国で地震・津波発生当日から実施しています。

◆スリランカ・巡回保健衛生教育 ◆インドネシア・被災地の様子

Q まず、スマトラ沖地震と津波の被害を受けた国で、AMDAがどのような支援活動を行っているのか教えてください。
A 現在までにAMDAの国内外派遣者は77名、そのほか医学部教授と医学生グループが100名医療支援活動に参加しています。
インドネシアでは、震源地に近く最も大きな被害を受けたスマトラ島北部バンダアチェ市内で、AMDAインドネシア・カンボジア・カナダ・台湾各支部と岡山本部・AMDA沖縄県支部からの派遣者が、救援活動を行っています。壊滅状態になっていた同病院のシステムの再構築、ICU病棟や破傷風患者に対する特別病棟の設置、手術や診療、投薬といった活動が中心です。
インドではタミルナドゥ州カダロアで、被災地キャンプ内での処置や診療を行うチームと、巡回診療を行うチームの二手に分かれて医療活動を行っています。巡回診療ではけがや化膿処置のほか、慢性疾患の患者受診が多く見られるとの報告が届いていて、これまでの合計受診者数は1551名となっています。

Q スリランカでは、国連のアナン事務総長ですら立ち入りを許されなかった地域から、支援活動の要請があったそうですね。
A AMDAはLTTE(タミルイーラム解放の虎)の勢力地域で、2003年から地元行政機関の現地スタッフ組織と一緒に各小学校などを巡回し、保健衛生教育を実施していました。今回の災害では感染症の広がりが心配されていますが、この保険衛生教育は感染症予防に大変有効です。ところがAMDA以外にすぐ実施できる団体がないということで、地元の保健行政局長から「キリノッチ、ムラティブ両県内すべての小学校、トリンコマリ県内すべての避難キャンプで、予防健康教育を実施してほしい」という要望、さらに緊急救援対策会議決定を受け、活動を拡張展開しました。このエリアは、従来LTTE側と政政府側の保健行政機関の双方に対して活動の許可を取り付けるといった手続きが必要です。また、被災地となって以来、キリノッチでの各種緊急救援活動についてはLTTE側援助担当窓口がコントロールしていて、今回新たに国外のNGOが物品提供以外の実働的な活動を始めようとしても、非常に許可がおりにくい状況になっています。今回のAMDAへの要請はLTTEと政府側双方合意によるものでしたから、いかにこれまでの活動への信頼に基づいたものか、改めて実証された形となりました。

Q 現地で求められている緊急支援にはどんなものがあるのでしょうか。
A 被災内容、場所、季節、そして支援を行う時期によってそれぞれ異なります。医療に関して言えば、被災直後なら、まずひとりでも多くの命を救うことが求められますよね。被災地が熱帯だったら、続いて下痢やマラリア、コレラや破傷風などの予防や治療、そして感染症を防ぐための保険衛生教育などが重要になってきます。さらに時間が経つと、今度は高血圧といった慢性疾患の人が病院に通えるような環境を整える必要があります。熱帯といっても雨期と乾期ではまた違いますし、千差万別です。常に同じ支援を求められるということはまずないですね。

Q 現地に行けなくても、ほかの形で支援したいと思う人は多数いると思います。その手段には募金などのほかに、どのようなものがあるでしょうか。
A 机の引き出しに眠っている書き損じたはがきや使わなかった年賀状なども、大いに役立ちます。AMDAの場合は、ご家庭や職場にある通常はがきや年賀状の書き損じ・印刷ミス、出さなかった古い年賀状(40円・41円でも可)などを集めています。お送りいただいた書き損じはがきなどは郵便局で交換の後、各活動国への通信費として使用させていただいています。未使用のプリペイドカードなども歓迎です。

Q 緊急支援を行うことに関しての問題・課題はどのようなことでしょう。
A 緊急支援は、災害が起きてから72時間が勝負といわれています。「緊急」なのですから、いかに迅速に行動できるかが重要。支援のために必要な資金を用意している時間の余裕はありません。そのため、皆様からの寄付が私たちの活動を大きく左右します。緊急支援を中期・長期支援につなげていくためにも、ぜひご協力いただきたいと心より思っています。

緊急募金ご協力のお願い
郵便振替
口座番号 01250-2-40709
口座名 AMDA
通信欄に「環インド洋地震・津波」と記入

Q このサイトをご覧になっている方へのメッセージをお願いします。
A AMDAが唱えているのは、「まずできること ―― あなたの温かいメッセージを被災地の友人へ」です。被災地の方々に「今この瞬間にも、自分たちの手助けをしたいと思ってくれている人がいる」と感じてほしいのです。そのためには支援活動を継続していく必要性を感じます。また、AMDAの国際人道援助活動は相互扶助の精神、つまり「困ったときはお互いさま」の心に基づいており、 「人道援助の三原則」を活動成功の鍵としています。1誰でも他人の役に立ちたい気持ちがある、2この気持ちの前には、国境、民族、宗教、文化等の壁はない、3援助を受ける側にもプライドがある。この三原則は、ボランティア三原則にも置き換えられるのです。
AMDA

◆インド・巡回診療

◆インドネシア・巡回診療


画像:AMDA提供



column2 れすぱす2月号 特別コラム: インドネシア・スマトラ島沖地震・津波災害に対する国際支援について日本のNGOを紹介
 


 2004年12月26日午前8時頃、インドネシア西部・スマトラ島沖マグニチュード9.0の非常に強い地震が発生し、インド洋沿岸諸国10ヶ国以上の人々、特に貧困層の人々が大きな被害を受けました。死者は1月20日現在22万人を超え、今なお多くの人々が行方不明です。現地へは被災直後から日本をはじめとする世界中のNGOが駆けつけ、現在も活発な支援活動が続けられています。

では、この災害に関して日本のNGOがどのような活動を行っているか、その一部を簡単にご紹介しましょう。これらの多くのNGOでは緊急募金も行われています。甚大な被害をこうむった人々のため、長期化が予想される支援活動に対して、皆様からのぜひ温かい支援をお願いします。詳しくは国際協力NGOセンターで提供しているインドネシア・スマトラ島沖大地震NGOによる緊急支援情報を参照ください。

(特活)ピース ウィンズ・ジャパン
インドネシア・スマトラ島北部にて物資支援(乾パン、ビスケット、水、パック入りのジュース、腰巻布、Tシャツ、ライター、ござ)

(特活)JEN
スリランカ北東部・南部にて衣料、生活必需品を支援

(特活)ブリッジエーシアジャパン
スリランカ北部にて負傷者の搬送、衣服や食糧、マットなどの輸送および配給

(特活)難民を助ける会
スリランカ南部にて台所用品、勉強道具の配布
(特活)日本紛争予防センター
スリランカ東部沿岸にて仮設シェルターの設置、半壊家屋の修復、損壊トイレの修復、衣類・生活用品・水・食糧等の生活必需品の配布

(特活)シャプラニール 市民による海外協力の会
インド・スリランカにて物資支援(食糧、飲料水、医薬品、トイレ、テント衣服、棺おけ)

(財)ケア・ジャパン
インド、インドネシア、スリランカ、タイにて飲料水、食糧や衣類を含む生活必需品の支給、避難所設置など

(特活)日本国際ボランティアセンター
タイ南部にて現地NGOと協力の上、家屋や水施設の再建を予定

(社)シャンティ国際ボランティア会
タイ南部にて食糧・飲料水、食器、仮設テントなどの生活物資支援


災害時のボランティア活動には、お金や救援物資の援助のほか、労力・情報・専門的知識の提供などさまざまな分野があり、どこでも誰でも活動できる可能性をもっています。ボランテイアはあくまで自発的な有志活動で強制されるべきものではありませんが、専門的な知識や技術をもったボランテイアの働きも期待されています。


災害時のボランティア活動は自発性により支えられています。しかし、その自発性に基づいたボランティア活動が適切に行われないと被災地の方々に迷惑をかけてしまうだけでなく、混乱や対立を招くことになりかねません。被災地に赴いてボランティア活動を行う際の心構えを下記にご紹介するサイトで確認しておきましょう。
災害発生直後の現地は混乱状態であるため、被災地以外からのボランティアを受け入れる体制は整っていないということが少なくありません。まずすべきことは現地の情報収集、そして自給自足で活動できるようにするための準備です。水、食料、懐中電灯、ラジオ、宿泊が伴う場合は寝袋も忘れずに。そのほか、健康保険証のコピーや雨具、地図や筆記用具なども必要です。また、万が一の場合の備えとして、ボランティア活動保険に加入しておくことも望まれます。混乱の収まりきらない被災地では、自分を守り、身の安全・健康管理は自分自身しかできないことを忘れないようにしましょう。
活動を始めるにあたっては、最初に現地に設置された災害ボランティアセンターを訪ね、コーディネーターやリーダーの指示を受けることが大切です。ボランティアは最低でも2人以上のチームを組んで行動します。特別の事情がない限り単独での行動は慎み、活動中はチームリーダーの判断に従うようにしましょう。また安全に活動を進めるため徹底した準備も行いましょう。
では、被災地にとって「迷惑ボランティア」となるのは、どのようなタイプでしょうか。自分の思い込みで勝手に行動するボランティア。あるいは、指示がなければ何も活動できないボランティア。「してあげる」ことに意義を感じ、「してあげているのだから自分が主人公」と思って行動するのも問題です。ボランティアはあくまでもサポーターです。被災者の人権を尊重する支援者に徹することを心がけましょう。役に立ちたいという気持ちが空回りしないよう、被災地でボランティアが求められている役割を常に意識しながら行動するようにしたいものです。

※こちらで紹介している災害救援ボランティアマニュアルは「福岡県NPO・ボランティア支援センター」が「阪神・淡路大震災」を教訓に作成されたものをご了解を得て使わせていただいております。

column3 国際交流・協力まめ知識
知ってて得する!?国際協力のあんなこと、こんなこと。

 多くの国に未曾有の被害を与えたスマトラ沖地震に、海外のニュースや新聞では「TSUNAMI」という言葉が盛んに使われました。
 「TSUNAMI」という言葉が国際的に使われるようになったのは、1946年にアリューシャン列島で起きた巨大地震による大津波がきっかけといわれています。津波に襲われたハワイ列島の日系人が発した「ツナミ」という言葉を、ハワイの地方紙が用いました。その後、米政府は津波のローマ字表記を使った「太平洋津波警報センター Pacific Tsunami Warning Center」をハワイに設立。そして1963年に開かれた国際科学会議で、「TSUNAMI」は国際用語として公式採用されたのです。


国際用語 TSUNAMI 参考資料:
国立歴史民俗博物館
産経新聞2004年12月31日朝刊


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