column1 環境問題を考える.

 かつては先進国の問題とされていた環境問題。今では開発途上国も含め、人類の生存や発展にとって不可欠な地球規模の課題であるという認識が深まってきました。温暖化、オゾン層の破壊、環境ホルモンやダイオキシン、絶滅の危機にある野生動物や植物、大気汚染や水質汚濁・・・深刻な環境問題は数多くあります。先進国ではさまざまな対策を錬り、環境の改善や悪化の防止に努めていますが、開発途上国では知識や人材、資金などが不足しているため、十分な対応を取ることが困難です。さらに、これらの国では経済の発達を優先するあまり、環境を守ることが後回しになってしまうこともあります。

日本で作られた環境に関する技術は、政府や企業、NGOなどを通じて世界に広がっており、地球規模で環境問題の解決に貢献しています。例えば「緑の地球ネットワーク」は、中国の黄土高原で保水や土壌の浸食防止と改善のためにマツや灌木を植林したり、貧しい村の小学校にアンズやリンゴなどの付属果樹園を造るなどして、その収益の一部を教育条件の改善に充てる活動を行っています。このように国境を越えて協力しあうことが、環境保全により大きな成果を生むことにつながっていくのでしょう。

しかし環境問題は、国家単位で考えるだけでは十分とはいえません。そこに暮らす人々が、人間と環境との関わりについての理解と認識を深めることが必要です。環境問題が一人ひとりの暮らしや社会から起きていることを理解し、これを自らの手で解決していく努力も求められています。
日々の暮らしの中で、ちょっとしたことが地球に優しい環境を担っていることをご存知でしょうか?地球温暖化を例に考えてみましょう。温暖化の原因のひとつは二酸化炭素の増加ですが、この二酸化炭素は家庭から出るものも多いのです。
シャワーや水道をこまめに止めて、1日3分間、水が流れる時間を減らしたとしましょう。それだけで、その家庭では1年で1万9710リットルもの水が節約でき、二酸化炭素の排出は3.2kg減らせることになります。車の不要なアイドリングを1日5分止めれば、その車は1年で25.6リットルのガソリンが節約でき、二酸化炭素の排出は16.4kg抑えられます。食器を洗うなど、台所で使うお湯の温度を低温に設定すれば、その家庭では1年でガス30立方メートルの節約、二酸化炭素の排出は19.8kg減らせるのです。ひとつの家庭や1台の車だけでもこれほど結果が数値に表れることに、ちょっと驚く人もいるかもしれませんね。

また、ものを大量に作り、使い、大量に捨てる。このような今までの社会のしくみに、地球は悲鳴をあげています。今後はリサイクルによって限られた資源を有効に使う、循環型社会を作り上げることが大切です。買い物をする際、商品にエコマークやリサイクルマーク、再生紙使用マークなどが表示されているのを目にしたことがあることでしょう。これらのマークは環境保全に取り組んでいる商品であるという証明なので、商品選びのひとつの目安になるのではないでしょうか。

日常生活で気をつけること以外には、環境のためにどんなことができるでしょうか。地球環境問題に取り組んでいる団体のイベントに参加する、さらに一歩進んで団体のボランティアとして活動してみるのもいいでしょう。また、「地球環境基金」などへの寄付などもひとつの手段です。地球環境基金は、NGOの環境保全活動への資金の助成や支援を行い、環境保全活動に向けた国民的運動の発展を図ることを目的として創設されたものです。フリーマーケットやチャリティーイベントの収益をこのような基金に寄付することも、環境問題に取り組むということになります。

家電の省エネ率や自動車の燃費をはじめ、環境に資する日本の技術には世界最高水準のものがあり、このような技術が日本から世界に広がれば、地球環境の保全に貢献することができるでしょう。その技術を支えるのは、個人の環境に対する意識です。個人から家庭、地域、そして世界に発信できるような、環境への高い関心と心遣いを常に持ちながら暮らしたいものです。

<参考サイト>
図で見る環境白書 平成16年版
国立環境研究所
環境庁環境家計簿
(独)環境再生保全機構(地球環境基金)
環境ラベル等データベース
エコライフガイド

<地球環境問題に取り組む団体>
(特活)緑の地球ネットワーク
A SEED JAPAN
NPOエコメッセ
環境行政改革フォーラム
(財)環境情報普及センター
東京都国際交流委員会、活動分野:『環境』の団体

column2 れすぱす1月号特別コラム 日韓友情年2005 ~進もう未来へ、一緒に世界へ~
 


 2002年のワールドカップ・サッカー共同開催や「日韓国民交流年」を経て、親近感を深めた日本と韓国。また、両国は「一日生活圏」のさらなる拡大を目指し、経済・社会分野でも日ごとに緊密度を増しています。特に最近は韓国ドラマに端を発した日本での「韓流ブーム」によって、今までにも増してお互いを身近な国と感じられるようになっています。

2005年は日韓国交正常化40周年に当たります。そこで「日韓友情年2005」として、両国で盛大に様々な交流事業を行うこととなりました。これは「~進もう未来へ、一緒に世界へ~」を合言葉に、各種交流事業や文化紹介事業を通じ、次世代を担う若者をはじめとしとした日韓両国民のさらなる相互理解と友情を深めることを目指しています。

これに先立ち、2004年9月には「日韓文化交流基金 2005年度人物交流助成申請案内」がスタートしました。青少年・草の根交流、シンポジウム・国際会議、芸術交流の3分野に対して助成を行うというものです。この助成は、日韓交流のための各種イベントがひとつでも多く行われ、より充実した内容にするための心強いサポートとなることでしょう。

さて、2005年はオープニングイベントに始まり、文化・芸術・観光・スポーツなどさまざまなジャンルで行事が開催されます。日本・韓国はもちろん、世界の各地において両国市民による手作りのイベントや祭りなど、いろいろな行事が行なわれる予定になっています。ここでは東京都内で行われる行事について簡単にご紹介しましょう。

年末から1月8日までは釜山地域の青少年20名が東京を訪問して、ホームステイを通じ日本の家庭文化を体験する「釜山青少年ホームステイ交流」が行われます。また、12月18日より岩波ホールで公開中の映画「酔画仙」は、数奇な運命を経て宮廷画家にのぼりつめた天才画家・張承業の知られざる生涯が描かれており、第55回カンヌ映画祭監督賞を受賞した作品です。韓国で200万人を動員した映画「大統領の理髪師」は新春から、1月15日からは韓国人権委員会が6人の実力派監督に依頼して製作した人権がテーマの傑作短編オムニバス、「もし、あなたなら~6つの視線」も上映されます。 さらに1月24日からは「韓国映画祭」が開催され、日本でも人気の俳優が出演する韓国映画の中から日本劇場未公開の恋愛作品7本を選び、日替わりで上映されます。

もちろん東京だけでなく、全国各地で日韓交流のためのさまざまな催しが行われます。東京の1月のイベントは映画が中心ですが、2月以降は多彩なジャンルのイベントが多数行われることになっています。イベントスケジュールは公式サイトに掲載されているので、興味を持った催しに参加して今まで知らなかった韓国の一面に触れたり、あるいはすでに知っていたことでもより造詣を深めてみてはいかがでしょうか。 あるいは参加するだけでなく、自分でイベントを企画するのはどうでしょう。韓国を知ると同時に、日本のこともより深く知って欲しい。そんなテーマの催しから、日本と韓国の絆がまた新たに生まれるかもしれません。

文化・経済・社会など、あらゆる分野において交流を進めることで、パートナーとして21世紀を共に歩む日韓関係の礎を築いていく。これが「日韓友情年2005」のコンセプトです。2005年にはより深く、より強い信頼関係が海を越えて結ばれるようになってほしいものです。

日韓友情年2005公式サイト


column3 国際交流・協力まめ知識
知ってて得する!?国際協力のあんなこと、こんなこと。

 2005年1月17日、阪神・淡路大震災から10年を迎えます。 震災当時、日本全土から救援に駆けつけたボランティアの総数は延べ130万人に達したといわれています。本来は海外での救援活動を使命としていた日本のNGOも被災地へ駆けつけ、長年蓄積したノウハウを生かして迅速な救助活動を行い、大きな成果を挙げて感謝されました。これらのNGOの中に、アジアの途上国のスラム地区で長年にわたって子供達への識字教育や男性達への技術指導、女性達への裁縫技術指導を行っている団体がありました。

 大震災が起こってまもなく、その団体宛に、スラム地区の住民達から1通の手紙と義援金が送られてきました。手紙には「私達はこれまで日本のボランテイアの皆さんから親身の援助を受けてきた。今度の大震災のニュースを聞き、これまでの恩返しの気持ちからみんなで募金活動をした。日本人にとっては小さな金額かもしれないが、我々住民すべての気持ちであるので、お見舞金として被災者の方々にお渡ししたい」と書かれていました。スラムの人々がひとり当たり5円~10円相当の募金をしてくれた結果、送られてきた義援金の総額は100万円を超えていたのです。
阪神大震災で各地から送られてきた義援金は約2000億円に達し、これまでの災害での最多の金額でした。その中には、このように思わぬところからの温かい思いやりもあったのです。
(参考資料:外務省)


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