column1 チャリティについて

 チャリティイベントとはよく耳にする言葉ですが、「Charity」の和訳は「寄付、慈善」。つまり、収益を社会事業や救済活動に寄付することを目的として行われる催しなどのことをいいます。実に多くの団体がチャリティイベントを開催し、その収益を国際協力に役立てています。そのほんの一部をご紹介しましょう。

 ユニセフでは、グリーティングカードやはがき、開発途上国現地の人々によって生産された手作りの品をはじめ、贈り物に最適なギフト製品などを販売しています。カタログから選ぶほか、インターネットでの注文も可能です。また、1978年から毎年夏に行われている日本テレビの24時間テレビ「愛は地球を救う」も、有名なチャリティイベントです。視聴者は募金という形でこのイベントに参加する、あるいはボランティアスタッフとしてこの番組をサポートします。アクアピースネットワークでは、マラソンやゴルフなどのスポーツイベントを、チャリティとして行っています。難民を助ける会は、ジャズトランペッター日野皓正さんと航空自衛隊航空中央音楽隊の共演というチャリティーコンサートを、先日開催したばかりです。さらに、来年1月9日にはマラソンランナーの谷川真理さんと一緒に走るチャリティマラソンも行う予定です。日本国際ボランティアセンターは今年も12月18日に国際協力コンサート「メサイア」を開催します。

 このようにさまざまなチャリティイベントが開催されていますが、これらのイベントで集まった善意の寄付金は、国際協力にどのように役立てられているのでしょうか。参加費用を払う、商品を購入する、あるいは募金をするといった形でチャリティに参加した人々は、当然寄付金がどのように使われているのか当然知る権利があり、主催者側も知らせる義務があります。現在はインターネットが普及したおかげで、寄付金の行方は簡単に確認できるようになりました。ここでは先に挙げたチャリティイベントについて、収益の使い道を見てみましょう。

 ユニセフ製品では、定価の約50%がユニセフの開発途上国における現地活動資金などとして、世界の子供たちのために役立てられています。24時間テレビ「愛は地球を救う」で集まった募金は、戦争や災害により自立を果たせない人々のための支援に使われ、インドシナ半島やネパールなどで村全体の活性化につながる息の長い活動が続けられています。さらに、日本国内では身体障害者補助犬の普及支援などを行っているほか、新潟県中越地震災害義援金として5000万円を寄付しました。また、アクアピースネットワークでは、チャリティマラソンの参加費の一部がアクアピースインターナショナル・イン・スリランカ校の建設費用として使用されました。難民を助ける会のコンサートの収益は、すべて緊急支援や障害者自立支援などの活動費にあてられています。

 チャリティイベントは、何といっても「参加者がイベントを楽しむことが国際協力につながる」というのが魅力です。買い物をした、コンサートに行った、そんなとき支払ったお金の一部が、世界の誰かのために役立っているのです。積極的にチャリティイベントを探してみてください。あなたの好奇心を刺激するようなイベントがきっとあるはずです。

チャリティの意義・定義
ユニセフ カード&ギフト
24時間テレビ「愛は地球を救う」
アクアピースネットワーク
難民を助ける会
日本国際ボランティアセンター


column2 れすぱす12月号特別コラム 世界人権宣言
 


 世界人権宣言は、人権と自由を尊重し確保するために、「すべての人民とすべての国とが達成すべき共通の基準」を宣言したものであり、人権の歴史において重要な地位を占めています。

 1947年、国連経済社会理事会では、国連人権委員会委員長の要請に基づいて「国際人権章典」起草のための委員会を設けました。オーストラリア、チリ、中国、フランス、オランダ、ソ連(当時)、イギリス、アメリカからなる起草委員会は、それぞれ持ち寄った章典案をまとめ、「法的な拘束力はないが人権保障の目標、あるいは基準を宣言する人権宣言」と、「法的な拘束力をもつ人権規約」が必要だとして、その草案を国連人権委員会に提出しました。

 この草案を受け、同年に開催された第2回国連人権委員会では、国際人権章典には人権宣言と人権規約、そしてその実施措置の3分野すべてを含むことを決定し、まずは人権宣言の検討から行うことにしました。その結果、翌年の1948年12月10日、第3回国連総会において採択されたのが「世界人権宣言」(Universal Declaration of Human Rights)です。さらに1950年の第5回国連総会で、毎年12月10日を「世界人権デー」(Human Rights Day)とし、世界中で記念行事を行うことが決議されました。

 前文と30条からなるこの世界人権宣言を読んでみると、取り立てて難しいことを述べているわけではありません。例えば前文では、「人権を無視することが野蛮行為をもたらす」「言論や信仰の自由があり、恐怖や欠乏のない世界が人々の望み」「諸国間の友好関係の発展を促進することが大切」とあります。つまり、人が人らしく生きる権利を、国連総会で議論しなくてはならない時代があったということなのです。

 また、第2条の「すべて人は、人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治上その他の意見、国民的若しくは社会的出身、財産、門地その他の地位又はこれに類するいかなる事由による差別をも受けることなく、この宣言に掲げるすべての権利と自由とを享有することができる」は、日本国憲法第14条の「法の下の平等」と、ほぼ同じ内容です。それ以外にも、日本国憲法の三大原則のひとつである基本的人権に関する条文と世界人権宣言は、非常に似かよった内容となっています。

 世界人権宣言に書かれていることが何ら特別なことではないと思えるのは、現在の日本が戦争や飢えに苦しむ国ではないからかもしれません。世界にはまだ、さまざまな差別が根強く存在し、理不尽な苦しみを味わっている人が数え切れないほどいます。実際、平和で豊かな日本でさえ、差別がないといえばそれは嘘になるでしょう。人権の尊重は、1789年のフランス人権宣言以来、長年に渡って世界中すべての国・人が目指すものです。191カ国の国連加盟国がこの世界人権宣言の意義を見失わない限り、世界中すべての人が人間としての尊厳を享受できるという望みは、決して消えることはないでしょう。

外務省
OHCHR(国連人権高等弁務官事務所)
社団法人アムネスティ・インターナショナル日本


column3 国際交流・協力まめ知識
知ってて得する!?国際協力のあんなこと、こんなこと。

 11月から1000円札の新しい顔となり、黄熱病の研究に努めた医学者として広く知られる野口英世。彼は1928年5月、研究先のガーナで黄熱病にかかり、51歳という若さで亡くなりました。ガーナには、その野口博士の名を冠した野口記念医学研究所があります。これは1979年に日本の無償資金協力によって設立された、ガーナにおける医学研究の中心機関です。野口博士の生誕120周年の際、ガーナでは野口博士やこの研究所をデザインした切手が発行されました。日本人が外国の切手に登場するのは珍しいことですが、ここからもガーナの人々が野口博士の功績と、現在も続けられている技術協力や医療研究分野の人材育成にどれ程感謝しているのかがうかがえます。(参考資料:外務省)


バックナンバー


地球村へのパスポート11月号
・国際協力に参加するには
・10月号特別コラム 世界エイズデー
・国際交流・協力まめ知識 エイズ~音のない戦争
地球村へのパスポート10月号
・国際協力に参加するには
・10月号特別コラム 国際コメ年と世界食料デー
・国際交流・協力まめ知識 ネリカ米 アフリカの救世主
地球村へのパスポート9月号
・国際協力に参加するには
・災害を通して命の大切さや協力の大切さを知る
・国際交流・協力まめ知識 厳冬の日本にモンゴルの温かい友情
地球村へのパスポート8月号
・国際協力に参加するには
・8月号特別コラム 100万人のキャンドルナイト
・国際際交流・協力まめ知識 バーチャル・ウォーター
地球村へのパスポート7月号
・国際協力の現場を訪ねるスタディツアー
・7月号特別コラム 人工問題は地球の未来の問題
・国際交流・協力まめ知識 世界の環境大都市だった江戸
地球村へのパスポート6月号
・暮らしの中でできる国際協力「フェアトレード」
・6月号特別コラム 「世界難民の日」に難民問題と国際協力を考える
・国際交流・協力まめ知識 戦後の日本人に希望をくれた国際協力
地球村へのパスポート5月号
・国際協力とは?
・5月号特別コラム -アースデイを通して国際交流・協力を考える-
・国際交流・協力まめ知識 -日本も世界から援助されたことがあった-
top
東京都国際交流委員会 れすぱすトップ バックナンバー 地球村へのパスポート アパートれすぱす 今月のピックアップ