column1 国際協力に参加するには

「JHP・学校をつくる会」は、脚本家の小山内美江子さんがカンボジアに学校をつくるために設立した国際ボランティア団体です。
カンボジアではポル・ポト時代、教育は徹底的に破壊されました。学校や教師は未だ不足しています。カンボジアが自立してくためにはまずは教育だと考えた小山内さんは、1993年秋に「カンボジアの子供に学校をつくる会」を発足させます。カンボジア各地に校舎、ブランコ、鉄棒をつくると同時に、音楽や美術、衛生教育や教員の養成も始めました。1997年には「JHP・学校をつくる会」と名称を変更、建設した学校はすでに100校を超えるまでになりました。今年1月には今までの活動が認められ、日本で19番目の認定NPO法人に認定されました。これにより、「JHP・学校をつくる会」に対して寄付をした場合は、寄付金控除等の対象とする税制上の特例措置が講じられるようになりました。
事務局次長である中込祥高さんに、会の活動や国際協力についてのお話を伺いました。



インタビューに答える中込さん。
ありがとうございました。
Q 定期的に海外ボランティアを募集してカンボジアに行っていらっしゃいますね。
A 最近では約20人の募集に対して200名近くもの応募があったりと、うれしい悲鳴をあげることも珍しくありません。国際協力への関心が高まっていることをひしひしと感じます。参加者の多くは大学生ですが、社会人やシニアの方の応募も目立つようになってきました。現地での活動は小学校での遊具建設、小学校建設補助(机、椅子の取り付け作業、運搬、ペンキ塗りなど)、こどもたちとの交流(楽器、劇、交流会)が中心です。日中は40度近くなりますから、炎天下で作業ができる体力も求められます。決して遊びに行くわけではないので肉体的にきついときもあるでしょうが、皆さん本当によく頑張ってくれます。

JHPでは、孫の代まで使える丈夫な校舎建設を心がけています。
Q 学校の建設費用はいくら位でしょう。また、その費用はどうやってまかなっているのですか。
A 建設費は1校につき350~500万円、費用はほとんどが寄付金です。1校分の費用をひとりの方が全額寄付してくださるケースが、最近は非常に多いですね。しかもお金があり余っている資産家というわけではなく、何年もかけてコツコツ貯められた方からの寄付だったりするのです。ひとつの学校ができあがる背景には、支援者の人生に通じる語りつくせないほどのエピソードが詰まっているんですよ。


日本で集めた鍵盤ハーモニカが音楽授業で生かされます。
Q 「JHP・学校をつくる会」は、カンボジアを中心に学校を建設されていますね。
A 確かに、世界には学校を必要としている国はたくさんあります。ただ、この会は「相手の顔が見える距離で支援をしたい」という思いがあるんです。アフリカに学校を建てても、その後のサポートが距離的な関係でスムーズに行かない可能性があるでしょう。けれどカンボジアは同じアジアで近い、しかもカンボジアへの学校建設に対しては10年間以上の実績と経験がありますから、効率よく進めることができます。国民性もよく知っています。ですからこの会の力が最大限に発揮できる、それがカンボジアへの学校建設だと考えています。


手作りのブランコ完成。学生ボランティアも子どもたちも大喜び。
Q 国際協力に参加したいと思っている人に、アドバイスをお願いします。
A 国際協力を行っている団体は国内に数多くあります。ボランティアを長く続けたいと思うなら、自分の考えに合った団体と巡り合うことも大切ですね。最近はネットでいろいろ調べられますから、メールのみでやりとりしようとする人もいますが、できるだけ電話、あるいは事務所を訪問するなど、ボランティア団体のスタッフと直接会話を交わすことは非常に大事だと思います。ボランティア団体が一同に介するイベントなどに足を運ぶのもいいでしょう。そして海外ボランティアに参加した場合、その経験をぜひ日本で積極的に伝えていって欲しいと思います。



海外ボランティアを経験した大学生が、日本のイベントでも活躍中。
特定非営利活動法人 JHP・学校をつくる会
 住所:〒106-0032 東京都港区六本木4-7-14
 TEL:03-5414-1774
 FAX:03-5414-1776
 E-mail:jhp@tokyo.email.ne.jp
 URL: http://www.ne.jp/asahi/jhp/home/index.htm

 

column2 災害を通して命の大切さや協力の大切さを知る
 


現在、地球上では約8億人が栄養不足と言われています。また、2000年には約60億人と言われた世界の人口は、2025年には約80億人に達すると見込まれています。つまり今でさえ飢餓に苦しむ人がいるのに、今後はさらに多くの食料を生産する必要があるわけです。そのため、持続可能な方法でどのように食料・貧困の問題に対応するかが課題となりました。そこで注目を浴びたのがコメです。
日本人になじみの深いコメは、世界の半数以上の人々の主食です。また、開発途上国における栄養不足人口の削減や貧困の撲滅などに、重要な役割を果たすことが期待される作物でもあります。近年、国際社会においてもこのような認識が広がり、2002年12月に開催された第57回国連総会で、2004年を国際コメ年とし、これらの役割に対して一般の方々の認識を高めるための活動を各国が連携して実施することになりました。
一方、国連食糧農業機関(FAO)は、1981年10月16日から毎年この日を「世界食料デー」に制定しています。世界食料デー制定の目的は、世界の人々に広く食料の重要性を認識してもらい、飢餓や栄養不良、貧困を克服するために、国際的な協力をより一層推進することです。そのため、毎年この日に政府や国際機関、それに民間団体が、食料問題に関する有意義な催しを行うよう決議し、これを世界各国に勧告しました。今年も日本はもちろん、世界各地でさまざまなイベントが予定されています。
今期不作が予測される国は17カ国、食料供給不足で特別(緊急)援助を必要とする国は30カ国あります。このうち半数以上の国は継続的な不作、または食料不足にみまわれています。飽食にあえぐ国がある一方、生きるために必要な最低限の食事にもこと欠く国が21世紀という時代にすら存在している……。その問題の大きさ、そして深刻さを、私たちは強く認識する必要があるのではないでしょうか。世界中のすべての人々が健康的な食生活を送るためにはどうしたらいいいか、何をすべきか、それを考えるのは「食に満たされた国」に暮らす者の責任といえるのではないでしょうか。「国際コメ年」や「世界食料デー」は、世界の現状と向き合うきっかけを与えてくれるものです。そのきっかけをひとりひとりが有効に活用することができたら、未来の世界では人口は増えているものの、飢餓に苦しむ人口はおそらく減っていることでしょう。


社団法人 国際食糧農業協会
http://www.fao-kyokai.or.jp/
国際コメ日本委員会
http://www.fao-kyokai.or.jp/iyr-japan/
農林水産省
http://www.maff.go.jp/
FAO日本事務所
http://www.fao.or.jp/


column3 国際交流・協力まめ知識
知ってて得する!?国際協力のあんなこと、こんなこと。

ネリカ米とはNew Rice for Africa(アフリカ用の新種米)の略で、病気・乾燥に強いアフリカ稲と高収量のアジア稲を交雑したアフリカ陸稲の新しい有望品種です。1994年、食糧安全保障問題解決に取り組んでいたWARDA(西アフリカ稲開発協会)で、シエラレオネの研究者であるモンティ・ジョーンズ博士が中国で取得したバイオテクノロジーを駆使し、従来困難と思われていたアフリカ稲とアジア稲の種間交雑に成功してネリカ米を誕生させました。
ネリカ米は乾燥に強くサバンナ地域でも栽培できるうえ、在来種に比べて少量の肥料・農薬でも育ちます。また、普通の米は1本の稲穂から取れる米粒が約200粒なのに比べ、ネリカ米は約300粒収穫できます。さらに病害虫や雑草に強く、1ヶ月以上も早く収穫できること、高たんぱくであるなど、優れた特徴をいくつも持っています。つまり、アフリカの大地で育てるのに最適な米なのです。
1997年以降、日本政府とUNDP(国連開発計画)は、日本政府の拠出による「人造り基金」を通じてネリカ米の研究と開発を支援してきました。その結果、これまでに3000種以上の系統を開発、現在200種以上が普及段階に入っています。この「人造り基金」を通じた日本とUNDPの協力は総額で130万ドルに達しますが、日本政府は資金だけでなく国際協力事業団(JICA)専門家も派遣し、技術面でも支援しています。
ネリカ米が順調に普及すれば飢えに苦しむ人々は確実に減少するので、ネリカ米は「アフリカの救世主」といわれています。


国連開発計画東京事務所
http://www.undp.or.jp/Publications/Nerica.pdf
外務省
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kankyo/wssd/type_2/2_3_1.html
ネリカ米
http://www2.tba.t-com.ne.jp/k181/kodai.files/page11.html



バックナンバー


地球村へのパスポート9月号
・国際協力に参加するには
・災害を通して命の大切さや協力の大切さを知る
・国際交流・協力まめ知識 厳冬の日本にモンゴルの温かい友情
地球村へのパスポート8月号
・国際協力に参加するには
・8月号特別コラム 100万人のキャンドルナイト
・国際際交流・協力まめ知識 バーチャル・ウォーター
地球村へのパスポート7月号
・国際協力の現場を訪ねるスタディツアー
・7月号特別コラム 人工問題は地球の未来の問題
・国際交流・協力まめ知識 世界の環境大都市だった江戸
地球村へのパスポート6月号
・暮らしの中でできる国際協力「フェアトレード」
・6月号特別コラム 「世界難民の日」に難民問題と国際協力を考える
・国際交流・協力まめ知識 戦後の日本人に希望をくれた国際協力
地球村へのパスポート5月号
・国際協力とは?
・5月号特別コラム -アースデイを通して国際交流・協力を考える-
・国際交流・協力まめ知識 -日本も世界から援助されたことがあった-
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