column1 国際協力に参加するには


 国際協力には興味があるし、参加する意思もある。できれば団体ではなく、個人で参加したい……。こんな考えを持っている人も、きっといるでしょう。国際協力には個人で参加できる方法も幅広く用意されています。JICA(独立行政法人 国際協力機構)が紹介しているものを、ここでいくつか抜粋してみましょう。

 まず、「青年招へい事業」があります。これは開発途上国の将来の国造りを担う青年を日本に招へいし、研修・交流を行うというもので、今までに120以上の国・地域から約2万7000人(平成15年度末)の青年を招へいしてきました。平成16年度は124カ国から1705人の青年を招へいする予定です。この事業に個人で参加すると、外国青年に日本語を教えたり、合宿を通じて日本事情や専門分野についての知識を交換したりするボランティアに関わることになります。外国青年と一緒に日本の町を散策しながら、電車の乗り方から買い物の仕方まで実用的な日本語を教える「ワン・デイ・ボランティア」などは、国際交流入門として最適ではないでしょうか。また、外国青年と合宿しながら専門分野についての意見交換会や、交流会を通してお互いの国についての理解を深める合宿セミナーに参加、あるいは青年たちのホームステイ先として自宅を提供するといった方法もあります。

  〔 参考 〕
  独立行政法人 国際協力機構
  私たちにもできる国際協力

 次は、昨年度初めて実施された「世界の笑顔のために」プログラムです。これは開発途上国で活動をしている青年海外協力隊などのJICAボランティアから、現地で必要とされている物品を日本国内で募集し、世界へ届けるプログラムです。今年の募集はすでに終了していますが、きっと来年以降も継続されていく国際交流になるでしょう。

 個人で参加する国際協力としてユニークなのは、「ODA民間モニター」です。現在、日本のODAは150を超える国と地域に対し実施され、日本の国際社会に対する貢献の重要な柱のひとつになっています。その一方で、事業の実態や成果、これに携わる関係者の姿が国民からは見えにくく、日本の援助が援助を受ける国にとって本当に役に立っているのだろうかという声も聞かれます。そこで自分自身の目で海外のODAの現場を直接視察するという「ODA民間モニター制度」が発足しました。今年度の募集は終了していますが、平成11年から毎年行われているプログラムなので、興味がある人は来年の募集に注目です。

  〔 参考 〕
  平成16年度ODA民間モニター

 自分が国際協力に参加することで、ほかの国の誰かが笑顔になってくれる。言葉にすれば何気ないことですが、こんなに素晴らしいことはありません。暇を持て余している休日、コーヒー何杯分かの小銭、それを世界の誰かのため、ぜひ役立ててください。

  〔 参考 〕
  国際協力フェスティバル2004 NGOとボランティアのサイト

 

column2 9月号特別コラム 「災害を通して命の大切さや協力の大切さを知る」
 


 今年の7月、新潟県と福井県を襲った集中豪雨のすさまじさは、まだ記憶に新しいでしょう。鉄道の鉄橋まで河川の増水で流されてしまう水の威力に、改めて天災の恐ろしさを再確認したかもしれません。ようやく復興活動が始まると、一昔前の日本の災害では見られなかった人の姿がニュースでしばしば映し出されました。日本全国から自主的に集まったボランティアの人々です。自分たちに手伝えることをと、ゴミの撤去や高齢者のサポートなど、汗を流しながら各地で活動していました。


バングラデシュ大洪水、救援活動にご支援を!

 最近、同じような水害に遭った国があります。バングラデシュでは、7月上旬の降雨により各地で洪水の被害が発生し、何と国土の3分の2が水没、首都ダッカも約40%が浸水しました。7月末の時点ですでに3000万人が被害を受け、10万人が避難者となり、死者の数は500人以上とバングラデシュ政府が公式に発表しました。しかし実際の被災者や死者数はそれ以上といわれています。ダッカでは避難してきた大勢の人々が路上生活者となり、救援物資を待ちながら暮らしています。北部では下痢症患者の爆発的増加が伝えられ、8月1日までに全国の下痢症患者の総数は2960万人にもおよんでいます。さらに下痢症の蔓延は今後南部にも拡大していくものとみられています。洪水による被害は免れても、その後の疫病で命の危険にさらされているバングラデシュ国民には、海外からの援助の力が不可欠です。

 日本からもいくつかの団体が支援活動に乗り出しています。特定非営利活動法人AMDAは、アジア、アフリカ、中南米において戦争・自然災害・貧困等により社会的・経済的に恵まれず社会から取り残されている人々への医療救援と、生活状態改善のための支援を実施しているNGO・国際医療ボランティア組織です。AMDAは現地職員の医師たちによる巡回診療を行い、ガザリア郡(首都ダッカの南約50km)に数ヵ所設置された避難所を訪れ、患者への応急処置や無料診療、下痢症患者に対する薬品や経口補水液(ORS)を無料配布しました。

 現地で活動することが叶わなくても、寄付金を送ることはできます。寄付金で購入されるのは医薬品・水の消毒用塩素タブレット、巡回診療で使用するボートの借り上げ費と燃料代、ジェネレーター、避難家族の食糧や寝具などです。また、特定非営利活動法人シャプラニール(市民による海外協力の会)、ESAアジア教育支援の会なども、AMDAと同様の寄付を募っています。バングラデシュ同様5月にサイクロンの被害に遭ったミャンマーに対しては、特定非営利活動法人ブリッジエーシアジャパンが支援のための募金を行っています。

 私たちは、困ったときに助け合う姿を新潟県や福井県の災害で目にしたばかりです。バングラデシュやミャンマーの被害は、決して人ごとではありません。寄付で救える命があることを、どうか忘れないでください。


特定非営利活動法人AMDA
住所:〒701-1201 岡山県岡山市楢津310-1
E-mail: member@amda.or.jp
電 話:086-284-7730
振込み先:郵便振替 01250-2-40709 口座名 AMDA
通信欄に「バングラデシュ洪水」と明記してください
団体HP: http://www.amda.or.jp

特定非営利活動法人シャプラニール(市民による海外協力の会)
住所:〒169-8611 新宿区西早稲田2-3-1
E-mail: info@shaplaneer.org
電 話: 03-3202-7863
振込み先:郵便振替 00140-1-133937 口座名 シャプラニール緊急救援
団体HP:http://www.shaplaneer.org/

ESAアジア教育支援の会
住所:〒201-0014 東京都狛江市東和泉1-23-3-101
E-mail:esa@cb3.so-net.ne.jp
電 話:03-5497-2261
振込み先:郵便振替 0110-0-196254 口座名 ESAアジア教育支援の会
通信欄に「バングラデシュ洪水のための寄付」と明記してください
団体HP:http://www02.so-net.ne.jp/~esa/

ブリッジ エーシア ジャパン
住所:〒151-0071 渋谷区本町3-39-3 ビジネスタワー4F
E-mail:baj@jca.apc.org
電 話:03-3372-9777
振込み先:郵便振替 01160-5-571696 口座名 ブリッジ エーシア ジャパン
通信欄に「ミャンマーサイクロン」と明記してください
団体HP:http://www.jca.apc.org/baj/

<災害援助情報サイト>
災害掲示板(国内版)http://www.sosb.com/
震災がつなぐ全国ネットワークhttp://www.npo-aichi.or.jp/shintuna/
被災地NGO協働センターhttp://www.pure.ne.jp/~ngo/
CODE海外災害援助市民センターhttp://www.code-jp.org/

column3 国際交流・協力まめ知識
知ってて得する!?国際協力のあんなこと、こんなこと。

 1995年1月17日、約6000人もの死者を出した阪神大震災が起こりました。未曾有の災害はモンゴルでも重大ニュースとして報道され、大きなショックを全国民に与えました。モンゴル政府は急きょ臨時閣議を開き、救援物資を速やかに送ることを決め、定期航空路のない日本へ行くためにわざわざ政府特別機を用意します。プレブドルジ副首相は毛布2100枚、手袋500組などを持参して関西空港に降り立ち、「長居をしてご迷惑をかけたくない」と、わずか90分だけの日本滞在で再びモンゴルに戻ったのでした。

 モンゴル人民共和国と称し、ソビエト連邦の衛星国の一つとしてソ連共産党の指導下に入っていた時代でさえ、モンゴルは日本に極めて好意的な国家として、経済交流面、文化交流面などで緊密な間柄を保っていました。そのことにソ連政府が不快感を示しても、モンゴル政府は「血の繋がりは共産主義の教義よりも強し」として、これを無視してきたのです。日本では「困った時の友が真の友」と言いますが、モンゴルにも「困難に直面する時こそ、友人の価値が分かる」と云うことわざがあるといいます。モンゴルはそのことわざを、まさに国単位で実践してくれたのでした。(参考:外務省HP)


厳冬の日本にモンゴルの温かい友情

 さて、9月1日は防災の日、9月9日は救急の日です。いざという時に備え、避難場所の確認や非常持ち出し袋を用意してありますか? もう一度確認してみましょう。電池やミネラルウォーター、缶詰などは古くなっていたら交換を忘れずに。また、救急の日には各地で応急手当の講習会を中心とした救急に関するさまざまな行事が実施されます。突然の事故や病気の際にも慌てずに応急手当ができるよう、積極的に参加してみてはいかがでしょうか。



バックナンバー


地球村へのパスポート8月号
・国際協力に参加するには
・8月号特別コラム 100万人のキャンドルナイト
・国際際交流・協力まめ知識 バーチャル・ウォーター
地球村へのパスポート7月号
・国際協力の現場を訪ねるスタディツアー
・7月号特別コラム 人工問題は地球の未来の問題
・国際交流・協力まめ知識 世界の環境大都市だった江戸
地球村へのパスポート6月号
・暮らしの中でできる国際協力「フェアトレード」
・6月号特別コラム 「世界難民の日」に難民問題と国際協力を考える
・国際交流・協力まめ知識 戦後の日本人に希望をくれた国際協力
地球村へのパスポート5月号
・国際協力とは?
・5月号特別コラム -アースデイを通して国際交流・協力を考える-
・国際交流・協力まめ知識 -日本も世界から援助されたことがあった-
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