-離婚編-

メイリン:管理人さん、こんにちは。実は日本人男性と結婚していた中国人の友人が、離婚することになりました。国際離婚の手続きなどについて教えてもらえますか?

管理人:離婚する夫婦は、今日本に住んでいるのですか?

メイリン:はい、都内に住んでいます。

管理人:日本に住んでいる国籍の違う夫婦が離婚する場合は、日本の法律が使われます。まず、離婚の方法には協議離婚、調停による離婚、裁判による離婚の3種類があります。

メイリン:その3種類はどんな違いがあるのですか?

管理人:夫婦がどちらも離婚することを承知している場合、夫か妻の住所、または本籍のある区市町村の役所に離婚届を提出するだけで、離婚が成立します。これを協議離婚といいます。離婚届には20歳以上の証人2名の署名・押印が必要です。また、未成年の子ども(満20歳未満)がいる場合は、その子どもの親権者を離婚届に書く必要があります。

メイリン:書類1枚で離婚が成立するなんて、あっけなくてちょっとびっくりしました。

管理人:協議離婚が成立しない場合は、家庭裁判所に離婚調停を申し込みます。これが調停離婚です。これは裁判ではなく、あくまでも話し合いによる解決を目指すもの。それでも離婚が成立しない場合は、裁判離婚となります。家庭裁判所に離婚の訴えを起こし、裁判によって離婚を認める判決を得るのです。

メイリン:日本では3種類の離婚の方法があることはわかりました。けれど国際離婚の場合、日本での手続きだけではだめですよね?

管理人:その通りよ。日本で離婚が成立しても、もう一方の国にも届け出をしなければ、その国ではまだ法律上の夫婦のままです。離婚に対する考え方は相手国によって違うし、手続きも異なります。日本のように離婚届を出すだけで離婚が成立するという協議離婚を認めている国はとても少ないですしね。多くの国では裁判での判決をもって離婚の成立を認めているので、そうした国の場合には、日本で裁判離婚をして、その判決文を用意する必要があります。

メイリン:日本では裁判は最後の手段のようなイメージですが、国によって随分違うものですね。円満に協議離婚できるのに、わざわざ裁判しなければいけない場合もあるってことですか?

管理人:そうですよ。手続きも国によってさまざまです。たとえば日本で離婚が成立したフィリピン人の場合、離婚が記載された戸籍謄本を外務省領事局の認証班で認証してもらい、タガログ語か英語の翻訳文を添付して、在日フィリピン大使館に離婚の届出をします。相手国の在日公館でよく調べる必要がありますね。

メイリン:在住外国人にとって気になることは、離婚によって自分の在留資格がどうなるかということです。たとえば私の友人の在留資格は「日本人の配偶者等」でした。離婚したら在留資格を失うのでしょうか。

管理人:離婚したら日本人の配偶者とはいえなくなるから、ビザの期限が切れるまでに出国しなければなりませんね。ただし「永住者」の在留資格を持っている人は、離婚によって在留資格の変更はありません。また、在留資格特別許可申請を行って「定住者」としての在留資格を得れば、離婚しても日本で暮らすことができます。

メイリン:「定住者」の在留資格を得られるのは、どんな場合でしょうか?

管理人:たとえば日本人との間に子どもがいる場合ですね。離婚によりその子どもを引き取れば、「日本人の配偶者等」から「定住者」への在留資格変更ができます。ただし施設に入れている、あるいは同居しないで国外に連れ出して現地家族が養育しているような場合は認められません。

メイリン:友人には離婚する日本人男性との間に小さな子どもがひとりいます。彼女はその子を引き取ることになっていて、離婚しても日本で育てたいと言っていましたから、在留資格を変更できるでしょうね。ただ、子どもの国籍の問題、今後の養育費など、いろいろ頭を悩ませているようです。

管理人:その子が現在、日本と中国の二重国籍の場合、22歳まではそのままの状態でいられます。離婚と同時に「子どもの国籍をどちらにするか」とあせる必要はありませんよ。また、子どもの養育にかかる費用は、子どもと生活しない方の親が、その分担分を支払う必要があります。メイリンの友人の場合は、父親が養育費を支払うということね。金額については夫婦で話し合い、意見が一致しない場合は裁判所で調停や裁判の手続きを取りましょう。

メイリン:今回は関係ありませんが、外国人男性と離婚して、その男性が本国へ戻るというケースもあるわけですよね。

管理人:そういった場合は、送金方法などをより確実に取り決めておく必要がありますね。

メイリン:お金の話が出たので、ひとつ質問させてください。慰謝料というのは、離婚の原因を作った人が、相手に与えた苦痛に対して支払うお金ですよね。

管理人:ええ、そうです。慰謝料とは調停や裁判で相手に請求するお金のことで、和解金という名目で支払われることもあります。慰謝料の請求が認められるのは離婚後3年までですが、国際離婚の場合には相手が支払をしないまま本国に戻ってしまうこともあり、そうなると請求はかなり難しいようです。

メイリン:その場合は泣き寝入りするしかないのですか?

管理人:調停調書や裁判の判決文をもとに、相手国で取立てを代行する弁護士などに依頼することもできます。けれど残念ながら、実際にはあきらめる人が多いようですね。

メイリン:本当は家族で仲良く暮らすことができれば一番いいのでしょうが、離婚という道を選ばなければならなくなったら、お互いが納得できるような話し合いをきちんとしたいものですね。

管理人:メイリンの言う通りね。日本で長く暮らせる在留資格を得るための偽装結婚、新日系人の問題など、結婚が絡む人身問題も深刻です。

メイリン:偽装結婚といえば、以前は日本で合法的に働きたい外国人を入国させるために、ブローカーなどが戸籍を売るというのが問題になっていましたよね。けれど最近は「個人の意志」での偽装結婚も多いと聞きました。普通に国際結婚した知り合いが、「入国審査で偽装結婚を疑われて不快な思いをした」と怒っていたことがあります。ところで、新日系人とはどんな人のことですか?

管理人:戦後フィリピンへ渡った日本人や、日本へ渡ったフィリピン人の間に生まれた日系混血二世たちのことです。日本人の父と離別した母子は、フィリピンで「三度のご飯が食べられない」ほどの極貧の生活に苦しんでいます。現地では支援団体が父親を探したり教育費を支援したりと、新日系人をサポートしています。

新日系人ネットワーク

メイリン:無責任な結婚の犠牲者だわ。そんな苦労をしている人たちがいるなんて知りませんでした。日本では、在住外国人が離婚問題で相談できるところはありますか?

管理人:専門家による相談会や電話による相談など、多言語に対応している窓口もあります。ひとりで悩まず、ぜひこのようなところで相談してほしいですね。

在住外国人のための都内リレー専門家相談会
東京外国人相談窓口マップ
東京英語いのちの電話 (TOKYO ENGLISH LIFE LINE)

メイリン:そうですね。管理人さん、ありがとうございました。


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