外国の方が東京で暮らすには、言葉の壁や文化の違いなどで、多くのトラブルやとまどいが予想されます。 このコーナーでは、外国の方がお住まいの架空のアパートを舞台に、1年を通して想定されるさまざまなシチュエーションとその解決策をご紹介していきたいと思います。
-地震編-
ウラジミール: 管理人さん、日本は地震の多い国ですね。来日したての頃は震度1でも家族中大騒ぎでしたが、今は随分慣れてきました。けれど大地震に対する備えや、実際に起きたときにどうしたらいいかは、まだはっきり分かっていないんです。

管理人:地震はいつ起こるかわからないもの。大地震があってもウラジミールさん一家がみんな無事でいられるよう、日頃から準備しておきましょうね。2カ国語で表記された災害時のマニュアルがあるので、まずはこのサイトをしっかり読んでおいてください。

  ・サバイバル・マニュアル(PDFファイル 約3.22M 一度パソコンにダウンロードしてからご覧下さい)


管理人:地震に対する備えについてですが、リュックやなどのかばんを用意して、家族全員が知っている場所においておきましょう。水も1日一人あたり2~3リットルを目安に用意しておきたいですね。地震が起きたときの避難場所は小・中学校や近所の公園など、住んでいる場所によって決まっていますので、あらかじめ避難場所がどこか確認しておくことも大切よ。そして、「災害に遭った際の最終的な集合場所は自宅そばの避難所」といったように、家族で決めておくことを忘れないようにね。これは地震だけでなく、台風や集中豪雨などの水害でも同様です。

ウラジミール:リュックには水や救急用品を入れておくんですか?

管理人:それだけじゃないわ。懐中電灯や乾電池、携帯ラジオがあると役立つはずよ。軍手や防水シート、ライターにマッチ、そして食糧や現金も必要です。もちろんパスポートや外国人登録証も忘れずにね。それから常備薬がある場合は、それも入れておくこと。乾電池や水、食糧や薬などは使用期限や賞味期限があるので、定期的にチェックして交換しておきましょう。

ウラジミール:家具などで注意しておくことはありますか?

管理人:転倒防止用の金具や、ネジなどを使わずに家具を固定できる用具が売っているので、それらを使って家具をしっかり壁や天井に固定しておきましょう。家具の転倒で怪我をしたり逃げ道をふさがれたりと、大きな被害につながります。ついでに家の中で一番家具が少なく安全な部屋はどこかも確認しておいてね。家具以外でも、ガラスの破片による怪我も心配です。窓や食器棚のガラスに飛散防止用フィルムを貼るなどすれば、かなり効果があります。

ウラジミール:実際に地震が起きたら、どんな順序で行動すればいいのでしょう。

管理人:大きな揺れが収まるまでは動かず、自分の身を守ることが大事です。テーブルの下など体を隠す場所がない場合は、クッションや座布団などで頭を守りましょう。揺れが収まったら使用中のガスや暖房器具など、火事の原因になりそうなものはすべて消して下さい。次に部屋や玄関のドアを開け、逃げ道を確保します。この順番はとても大切なので、必ず守って下さいね。気をつけなければいけないのは、大きな揺れが収まった後でも余震が起こる場合が多いことよ。余震は一度とは限らないので、揺れを感じても慌てず、冷静に行動して下さいね。

ウラジミール:万が一火災が発生してしまったら?一刻も早く逃げたほうがいいんでしょうか。

管理人:小さな火事のうちは、落ち着いて行動すれば消火できることが多いものです。とはいえ、決して一人で消火しようとはしないで下さい。まずは大きな声で周囲に火事を知らせ、近所の人に応援を求めましょう。隣の家からこういう声が聞こえた場合は、ウラジミールさんも状況が許す限り応援に行ってあげてください。ただし、火の手が天井まで届いたら消火は諦め、燃えている部屋のドアを閉めてその場から素早く避難しましょう。怪我をしてしまった場合は臨時に開設される救護所に行きますが、その場所がわからない場合はまず避難所へ行き、そこで確認してください。

ウラジミール:一番心配なのは、家族とばらばらになってしまった場合です。災害時は携帯もつながりにくいと聞きました。家族の安否を確認する方法はありますか?

管理人:「災害伝言ダイヤル」を利用しましょう。被災地にいる人が録音した安否などに関する情報を聞ける、声の伝言板です。NTTが災害用伝言ダイヤルサービスを始めるときは、テレビやラジオで知らせます。使い方は、電話番号171をダイヤルし、伝言の録音、再生を行います。案内は日本語なので、基本操作はあらかじめ覚えておいてくださいね。

ウラジミール:災害伝言ダイヤルは海外からも使えますか?

管理人:使えるのは日本国内のみです。家族全員の安否が確認できたら、大使館に連絡して無事を報告してください。ロシアの親戚の方は、大使館に連絡すればウラジミールさん一家が無事だということがわかります。

ウラジミール:言葉の不安もあります。日本語には随分慣れてきましたが、災害時となると普段使わない言葉も出てくるし・・・

管理人:現地の混乱が少し落ち着くと、通訳ボランティアが来てくれるでしょうが、災害発生後すぐというわけにはいきません。ウラジミールさん自身で情報収集する必要があるでしょうね。TV、ラジオの外国語放送を聞いて確認しましょう。NHKテレビは副音声が英語です。ラジオではInter FM (76.1 MHz)で10カ国語の放送があります。NHK(693 KHz)でも英語の放送があるので、ラジオが役立つはずよ。

ウラジミール:そうだ! ラジオだったら、地震発生直後でも津波情報を入手できますね。

管理人:よく気がついたわね、ウラジミールさん。その通りよ。沿岸部に住んでいる人は、地震が起きたら火災だけでなく、津波にも注意しなければ。津波警報が発令された場合はテレビやラジオですぐ放送されるので、移動しながらも情報が得られるラジオが重宝しますよ。

ウラジミール:今までは漠然とした不安を抱えていたのですが、管理人さんから話をうかがえて安心しました。地震対策と水害対策は共通することも多いということが分かりました。言葉の不安があるといっても、事前に準備しておくことで対応できるものも多いんですね。

管理人:災害が起こったとき、しっかりとした救援体制が整うまでには数日かかることもあります。しっかりした備え、そして災害が起きたときに取る行動をちゃんと理解していれば、救援に頼らず自分たちで解決できる問題も多いということを覚えておいてくださいね。

ウラジミール:そうですね。管理人さんのお話を聞いて、常に人頼みではなく、自分たちでできることもあるってことに気づきました。

管理人:それからもうひとつ。地震や台風といった災害に備えて準備しておくことも大切だけど、いざというとき頼りになるのがお隣同士。日常的に近所の人との付き合いがあれば情報も入りやすいし、きっとウラジミールさん一家の助けになってくれるでしょう。物質的な備えだけでなく、日頃からお隣さんとのコミュニケーションも大切にしてくださいね。

ウラジミール:その通りですね。ありがとうございました


<参考サイト>
Living in Tokyo
多言語生活情報
東京都福祉保健局医療政策部救急災害医療課
国土交通省 防災情報提供センター
災害用伝言ダイヤル
東京消防庁防災トピックス
東京の防災/総合防災部
(財)横浜市国際交流協会「災害時に役立つ外国語の表示シート集(横浜版)」


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